豊川市は来月にかけて、各地で平和関連の行事や展示会を開く。今年は豊川海軍工廠(こうしょう)の空襲から80年の節目の年で、例年よりも内容を充実させる。
戦後50年の1995年に市は「平和都市」を宣言した。その年に始まったのが平和祈念式典で、空襲があった8月7日に市文化会館で毎年開いている。
今年は豊川高校演劇部による豊川海軍工廠劇「すけっちぶっく」を上演する。2020年にできたオリジナル劇で、絵が好きな女学生あかねが主人公。学徒として工廠で働くことになる。厳しい生活の中、そこで出会った2人の友人と紙芝居を作る。ささやかな幸せの中、3人は空襲の日を迎える。戦争の惨禍と平和への願いを込めた作品だ。他に空襲の語り継ぎボランティアをしている大学生2人による平和の誓いがある。午前10時からで誰でも参加できる。
桜ケ丘ミュージアムでは豊川海軍工廠展が26日から8月31日に開かれる。今年は靖国神社遊就館所蔵の「九九式二十粍(ミリ)機銃」の特別展示がある。工廠で製造され、実際にゼロ戦に搭載された。ラバウルで墜落した機体のもので、普段は遊就館のロビーに展示してある。弾倉、照準器なども並ぶ。
他にオリジナル絵本「あの八月七日」(A4判40㌻、税込み1600円)を新たに作成し8月7日に発売する。平和交流館で折り鶴展示(8月1~31日)、工廠に関するオリジナルフレーム切手(税込み1800円)を8月7日に郵便局で発売する。
豊川市の担当者は「空襲から80年が経過し、実際に体験した人が高齢のため語り継ぎが難しくなっている。さまざまな取り組みを通し、空襲被害や戦争がどんなものかを多くの人に伝えたい」と話す。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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