のんほいパークで絶滅危惧種ツアー

2017/03/21 00:00(公開)
ミナミシロサイの前で、24時間警護される残り3頭のキタシロサイの説明を受ける参加者=のんほいパークで
 豊橋市出身のコンテンツプロデューサー佐々木シュウジさん(51)=名古屋市=が、故郷の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)で園内の絶滅動物をめぐるツアーを初めて行った。
 佐々木さんは昨年4月、名古屋市千種区の東山動植物園の絶滅危惧種を網羅した写真集「東山絶滅動物園」を発刊。10月からは毎週土曜に同園で「東山絶滅動物園ツアー」を開催し、園内の動物を通じて子どもたちに絶滅要因を知ってもらう活動を続けている。
 のんほいパークでは、15人の参加者が座学の後、まず準絶滅危惧種の「ミナミシロサイ」の放飼場へ行き、すでに絶滅した「ステラーダイカイギュウ」や地球上に残り3頭となっている「キタシロサイ」について勉強。人間のせいで生息地の環境が破壊されたり、嗜好品として密猟者に狙われていたりする現状を話した。
 続いて、絶滅危惧ⅠB類の「チンパンジー」の前では、人間に遺伝子が近いため製薬会社が動物実験にしている悲惨な事例を挙げ、佐々木さんは「人が暮らす中でいろいろな動物が犠牲となっていることを知る必要がある」と語りかけた。
 また、地球温暖化の影響で住む場所を追われ、やせ細っている絶滅危惧Ⅱ類の「ホッキョクグマ」の写真を示し「個体数は横ばいだが、確実に50年後にはいなくなる。何を購入し、どのような行動を取るのか日常生活から考えてほしい」と訴えた。
 同公園にいる130種のうち約20種が絶滅危惧種で、佐々木さんは今後、写真集の発行も考えている。
(飯塚雪)
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