豊川で「あの夏を想う集い」

2017/08/05 00:01(公開)
爆弾で土に埋もれながら助かった時の姿勢を再現する浅若さん㊨=豊川市中央図書館で
 7日で豊川海軍工廠(しょう)の空襲から72年になるのを前に、豊川市平和都市推進協議会は4日、市中央図書館で平和の尊さを考える「あの夏を想う集い」を開き、市民24人が参加した。
 13年目の今年は、当時工廠で従事していた浅若桂さん(88)=西豊町=が体験談を語った。空襲の日、友人と逃げ込んだ防空壕(ごう)に爆弾が落ちて爆発し、鼻の部分まで土に埋まった。その時の体の姿勢を再現したり、3256発もの弾痕が記された地図を見せながら、九死に一生を得て数日後には友人と再会できたことも明かした。
 また、戦時下の食糧不足に苦しむ暮らしぶりや、厳しい学校教育についても紹介。「ニュースでは米軍機を何機か撃墜したという情報ばかりで、日本が負けそうになっているなんて知らなかった」と話し、戦闘機の標的になるのを避けるため、「国防色」と呼ばれた緑や茶色の服を着たことも明かした。
 近年、市内の小学校などでも体験談を話している浅若さん。「最近の子どもたちは『死ね』という言葉を平気で使うが、戦争中はそんな言葉は使わなかった。人の命ほど大切なものはない。自分の命、他人の命を大切にしてほしい」と訴えた。
 参加者は市野球場近くの平和の像周辺で清掃活動も行い、ごみや枯れ葉などを集めた。
(由本裕貴)
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