東三河ではスポーツ観戦意識低く
豊橋青年会議所が東三河8市町村で実施した住民意識調査の結果が発表された。同会議所がこの地域の活性化として考えるスポーツに対する結果は、問題点を浮かび上がらせた。
選択方式の質問を用意し、8月23日から9月25日までウェブや街頭などで調査した。10代から70代まで6780人から回答が寄せられ、結果の信頼度を高めるため目標に掲げた6600人を上回った。
質問は、大きな柱の一つに「スポーツのまち東三河」が設けられた。ゴルフや釣りも含め自らスポーツをしている人は60%近くあるが、東三河で行われているスポーツ大会に参加、または観戦したことがあるかについては多くの大会で「ない」の回答が80%以上となった。
例えば、長い歴史のあるトライアスロン伊良湖大会(田原市)は「参加したことも見に行ったこともない」という人が85・8%。
各地から見物客が訪れる新城ラリー(新城市)だが、「見に行ったことがある」は10・8%。プロバスケットボールのBリーグは15・2%だった。
「スポーツで地域を活性化するには何が必要」の質問には、「世界、全国レベルの大会が開催されている」が57・3%で最も多かった。
東三河で開催されているスポーツ大会はローカル大会が大半とはいえ、プロスポーツもある。結果を踏まえ、同会議所も指摘したが、住民のスポーツ観戦文化が低いのは否めない。
近年、スポーツによるまちづくりを掲げる自治体、団体も目立つようになった。だが、地元の人が参加したり、見たりすることが少ない結果を考えると、現状ではスポーツで地域を活性化させるのは難しいのかもしれない。
「スポーツを通じたまちづくり」「スポーツでまちを活性化」。聞こえはいいが、現実のものにするには、住民への周知方法をはじめ、魅力に欠けていないか、参加や観戦がしにくいのかなど、既存の大会を見直すことから始める必要がありそうだ。
(中村晋也)