豊川高校駅伝部が、22日に開かれる「男子第75回、女子第36回全国高校駅伝競走大会」(日本陸連、全国高校体育連盟など主催)に男女同時出場する。「たけびしスタジアム京都」を発着点に、男子は7区間(42・195㌔)、女子は5区間(21・0975㌔)で争う。スタートは女子が午前10時20分、男子が午後0時半。男女そろっての入賞を目指す。
2012年に優勝経験のある男子は2年連続11回目の出場。県予選では雨の影響で本来の力が出せず2位、後がなくなった東海大会で優勝し、都大路の切符を手にした。タイムは2時間4分41で地区大会でみると全国1位だが、奈良修監督は「距離も短いし、アップダウンがなく走りやすいコースだった。全国のトップとは差がある」と気を引き締める。
東海大会では、1区の神田悦士選手(3年)が首位と5秒差の3位。2区で約20秒差に後退したが、3~5区で差を縮めた。6区の嶋岡希選手(2年)が2位でたすきを受け取り、区間賞の走りで首位の伊賀白鳳を逆転し1位に躍り出た。7区の鷲野遥都選手(3年)は、終盤はフラフラになりながらも1位を死守。倒れ込みながらフィニッシュした。奈良監督は「県大会後の3週間はすごいプレッシャーだったと思う。ここで勝ち切れたのは『勝ちたい』という彼らの思いが上回ったから」と涙ぐんだ。鷲野選手は「絶対に勝ち切る思いだった。自分たちの代でも全国行けることを証明したかった」と振り返る。
鷲野選手ら3年生はわずか5人。盟友の神田選手は「入学時からの仲間でずっと一緒に『頑張ろうな』と言って走ってきた。誰一人欠けても優勝できなかった」と感謝する。一方、澤村優仁主将はサポートに徹した。「悔しさもあるが、今はチームのことだけ。燃え上がる炎のような心『気炎万丈』をモットーに練習してきた」と話す。澤村選手を主将に任命したのは奈良監督。宿舎で一緒に寝食を共にし、「澤村の優しくリーダーシップがあった。彼を慕う下級生も多く、さぼらないチームをつくったのは澤村ら3年生の役割が大きい」と評価する。
3年の2選手に加え、2年の嶋岡望選手が鍵。奈良監督は「嶋岡の走りはチームを勢いづかせる」と話す。12月の県対抗駅伝では区間2位で調子は上向きだ。そのほか、上り坂に強い大沼光琉選手、経験のある鷲野、神田両選手にも注目だ。昨年は1区で42位、3区まで40位と苦戦し、32位に終わった。「勝負は3区まででほぼ決まる。攻めていくレースになるだろう」と分析した。
過去4回、優勝している。県予選のタイムは1時間10分19秒で1度も先頭を譲らなかった。2区の谷凪紗選手(2年)が3位でたすきを受け取り、区間賞の走りで1位に躍り出た。3区の藤田紅良選手(2年)、4区の秋竹奏音選手(3年)、5区の秋竹凛音主将(同)がいずれも区間賞、2位と3分以上の差をつけて圧勝した。アンカーの秋竹選手は「中盤にペースが落ちずには走れたのが良かった」と話した。
秋竹主将は一昨年、昨年も出場経験のあるエースだ。新チームでは持ち前の明るさを買われて主将に。妹の奏音選手は「走りはもちろん、チームのことを考えてくれる。練習メニューを提案するなど、チームに欠かせない存在」と絶大な信頼を置く。秋竹主将は「昨年の大会後はけがで調子が上がらない時期もあったが、夏合宿では強度の高い練習を積むことができ、全国出場を果たせた」と手応えを口にする。そのほか、昨年の経験のある藤田紅良選手(2年)や、凛音選手の双子の妹、奏音選手(3年)らにも期待がかかる。
練習方針は選手に任されている。秋竹主将らを中心に、練習の合間に、その日の調子に合わせて練習メニューを話し合う姿もあった。臼井康善監督は「自分で考えて行動する力がついてきた。ペースの上げ下げなど判断も生徒に一任している」と話す。
昨年は大会1週間前に食あたりとみられる症状で部員の大半が体調不良に。23位で悔し涙を流した。秋竹主将は「体調管理をして全員がベストな状態で臨むことが重要。昨年の悔しい思いを晴らし、入賞を目標に都大路を走りたい」と意気込んだ。臼井監督は「全体の3分の1を占める1区が大事。2区終了時点で8番以内を維持できれば、3区の外国人区間を持ちこたえ、10位以内のチャンスがある」と見る。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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