蒲郡市神ノ郷町の陶芸工房「安加比古(あかひこ)窯」で、来年のえと「巳」にちなんだ香合づくりが進んでいる。窯元の加藤隆生さん(59)は、吉祥がもたらされることを祈念して「鱗紋琵琶(うろこもんびわ)」と名付けた。
茶道の「炭手前」の際に使う茶道具。香を入れるふた付きの器で、香りだけでなく、観賞用としても楽しむ。
安加比古窯は1956年に開き、祖父、父と受け継がれた。加藤さんが三代目。30歳の時に制作活動を始め、今年で29年になる。巳を題材にした香合づくりは2度目。
今回の香合は長さ9㌢、幅5㌢、高さ4㌢。音楽や知恵などをもたらす女神「弁財天」の琵琶をイメージし、ヘビのうろこに見立てた三角形が連続して並ぶデザイン「鱗紋」を施した。
ヘビは弁財天の使いとされる。鱗紋はヘビが脱皮を繰り返すことから、厄を払って再生する意味が込められており、「魔よけ」や「生命力」の象徴とされ、縁起のよいデザインとして親しまれている。
加藤さんは「いろんな希望をかなえてくれる弁財天とご利益だらけのヘビを通して、幸福を届けたい」と笑顔で話した。
香合は白と黒の2種類を計100個(白30個、黒70個)を作る。1個1万3200円。郵送も受け付けている。問い合わせは安加比古窯(0533・68・6757)へ。
香合製作の様子は公式YouTubeからチェック
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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