戦前、東三河から旧満州(現中国東北部)に移住した「東三河郷開拓団」の慰霊祭が5日、新城市の桜淵公園で営まれた。引き揚げ者の橋本克巳さん(89)=名古屋市西区=ら約30人が参列した。
1939年に東三河地方出身者で移民団が組織され、40年に黒竜江省甘南県に入植した。満州などで亡くなった人たちへの慰霊と開拓魂を記念して71年5月に豊川(とよがわ)右岸の桜淵公園東側に「拓魂碑」が建立された。碑文には「村づくりに心血を注ぎ、終戦時の団員は530余人となり、敗戦により日本へ引き揚げまでに200人以上が亡くなった」と刻まれている。
慰霊祭は毎年この時期に開催。橋本さんは満州から孤児になって帰国した。この日は祭主を務めて祭詞を奉上した。「今年は戦後80年。その間平和が長く続いたことに感謝します」と述べた。また「開拓団は侵略者でもあった。他の団を含めて多くの人が亡くなった。中には集団自決したとも聞く。戦争を風化させることなく、満州の悲劇を伝えるのが私の使命」と述べた。
下江洋行市長、長田共永議長、安形博教育長、峰野修県議の来賓と参列者が参拝した。
東三河郷開拓団の引き揚げ者は県内で4人となった。いずれも80代後半。参列したのは橋本さんのみで、3人は福祉施設に入所中などの理由で欠席した。
取材に橋本さんは「『拓魂碑』は国策に準じて満州に行った証しだ。碑が長く存在することも望みますが、世界平和になって碑が必要でなくなることも願っています」と話した。
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浜松市出身。大学卒業後、母親の実家があった豊橋市に住む。スポーツを皮切りに、蒲郡市政担当15年を経て現在新城市と北設楽郡を担当する。映画ロケの炊き出しからご当地グルメとなった「ガマゴリうどん」など、まちぐるみで取り組む姿を取材するのが好き。
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