豊川海軍工廠(こうしょう)の空襲で2500人余が亡くなってから80年となる7日、豊川市平和祈念式典が、市文化会館で開かれた。80周年の節目として、豊川高校演劇部による「すけっちぶっく」の上演や、語り継ぎボランティアの大学生2人による平和への誓いがあった。例年よりも規模を拡大し、約1250人が訪れた。
すけっちぶっくは、2020年にできたオリジナル劇で、絵が好きな女学生あかねが主人公。学徒として工廠で働くことになる。そこで出会った2人の友人と紙芝居を作る。3人は空襲の日を迎え、あかねは亡くなる。戦争の惨禍と平和への願いを込めた作品で、生徒たちの迫真の演技が来場者を感動させた。
平和への誓いは、地元出身の愛知県立大学4年の片岡優美さんと、立命館大学4年の夏目和佳さんが「高校3年から工廠の語り継ぎボランティアをしています。戦争体験者の中には、自分の経験を話したがらない人もいます。それでも誰にも知られなければ、過去の出来事はなかったことになるので、語り継いでいきます」と語った。
竹本幸夫市長は「80年の節目の年に、平和都市宣言の理念を次の世代へ確実に継承していくために、若い世代による演劇や平和への誓いを行いました。恒久平和に向けて全力を尽くします」と宣言した。また今枝宗一郎、大嶽理恵の両代議士らが出席、来場者の献花などがあった。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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