豊橋市役所内「わくわく」で再生紙生産開始

2017/12/27 00:00(公開)
出来上がった再生紙を取り出す障害者スタッフ=豊橋市役所で
 使用済みの紙を原料に再生紙を生産する小型製紙機を豊橋市が導入し、市役所の庁内障害者ワークステーション「わくわく」で生産を始めた。障害者福祉の向上を願った故人の寄付金で購入、障害者の業務を広げ、雇用の促進にもつなげる狙いだ。
 製紙機は、デジタル印刷機などを開発製造するデュプロ精工(和歌山県紀の川市)の「レコティオ」。古紙を投入するだけで、トナーや異物を取り除きながら、水と泡で文字を消し、約2時間後には再生紙を作る。1時間にA4普通紙なら約250枚、A4厚紙は約110枚を生産できる。
 購入費約1000万円は、障害者福祉の推進に活用してほしいと田原市の故大羽和子さんの遺言に基づいた寄付金(3905万円余)。他にも、点字プリンターの購入費や障害者福祉会館のLED照明設置工事費などに活用された。
 市は役所内で出る古紙を回収し、業者にリサイクルしており、月間約1200㌔の古紙のうち106㌔程度を製紙機で再生紙を生産する計画で、回収から再生までを役所内で完結させる紙のリサイクル体制を確立する。できた再生紙は職員の名刺に使用する。
 作業を「わくわく」のリーダーを含む障害者スタッフ6人が請け負う。業務が拡大し、市は今後の状況をみて障害者の新たな雇用にもつなげたい考えだ。
 稼働初日となった25日は、障害者スタッフが役所内から集まった古紙4・5㌔を投入し、353枚の再生紙を作った。リーダーの男性は「操作を覚えて、みんなでやります」と張り切っていた。
(中村晋也)
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