啓発ポスター「人権ピース」 豊橋のエクスラージが2年連続で県に採用される

2024/11/30 00:00(公開)
2年連続の採用を報告する共田社長、山本さん、中川さん(左から)=東愛知新聞社で

 豊橋市花田町の広告企画制作会社「エクスラージ」が企画した人権啓発ポスターが、県に2年連続で採用された。人権週間(12月4~10日)に合わせて県内各地で張り出される。大手広告代理店に伍して「圧倒的なプレゼン」だったと評価されたという。

 

 2回の選考で企画書とコンセプト、広報ポスターの図案やキャッチコピーを審査する。ポスターはメイン図案と「外国人の人権」「部落差別」「性的少数者の人権」などの課題ごとに図案とキャッチコピーを作る。

 

 デザイナーの山本訓之さんが立案、チーフデザイナーの中川裕樹さんと議論しながら形にしていく。共田慎性社長によると、今回の原案は2022年のコンペで2位に終わったデザイン。「昨年の作品より気に入っていた。それをブラッシュアップさせたかった」と話す。

 

 山本さんらが考えたキーワードは「人権ピース」。80億人の人類がジグソーパズルのピース(piece)のように集まり、仲良く暮せば笑顔で平和(peace)になれる、という意味を込めた。「権」の「隹」部分がパズルのピースになっているのも面白い。

 

 メイン図案は80億のピースが地球の形をしている。中の人はみな笑顔だ。そして、平和の象徴であるハトが入っている。各課題にもハトがいる。「ぱっと見て、それが何かを理解できる図案を考えるのに苦労した」と中川さん。

 

 山本さんによると、採用された後も県の担当者とやりとりし、細かな修正作業が続いた。「性的少数者」は大幅に変更したという。ただ、相手の話を受け止め、対応できる山本さんの力量から、県も全幅の信頼を寄せるようになった。

 

 山本さんは「難しい挑戦の結果、2年連続で採用されたことはうれしい。小学校に張り出されるので点字を入れて、子どもたちに、障害のある人のことを考えてもらうよう工夫した」と話した。また、独自に作った音声と字幕付き動画をYouTubeで配信し、誰でもアクセスできるようにした。声の担当は東三河の高校生やアナウンサーだ。

 

 ポスターはB2判。メインポスターを3000枚作った。メインと課題のポスターは名古屋市の金山総合駅の公共通路の掲示板を埋めている。名鉄とJR東海は豊橋駅で12月2日から掲示する。

金山総合駅に張り出されたポスター
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、取締役編集長。こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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