豊橋市の長坂尚登市長は7日に開いた定例記者会見で、12月の市議会で可決した市の契約解除を議決要件に盛り込む条例改正について、「適法かどうかの精査を進めている。前例がないので慎重に対応したい」との考えを示した。
市議会12月定例会では12月26日の最終日、自民や公明などが提案した市議会の議決に付すべき事件を定める条例案が可決された。審議では、市長が中止を掲げる多目的屋内施設(新アリーナ)と豊橋公園東側エリア整備運営事業の特定事業契約も適用対象に含まれることも分かった。
今後は条例送付翌日から20日以内の法的精査で違法性などがなければ、今月15日までに公布される見通しだ。市によると現在、法曹資格を持つ複数の職員を中心に、地方自治法との法的な食い違いなどがないかをチェックしているという。
この条例改正で、可決から10日以内に市長裁量でできる一般再議はなかった。法的精査を経た公布期限も、法令等や議会の権限を越える問題が確認されれば、市議会へ再議に付さなければならない義務規定がある。
長坂市長は「契約解除を議決事項に加えることが適法かどうか判断することになる。地方自治法にも個別具体の文言がなく、あとは法解釈の余地しかない」と現状について説明した。
その上で「新アリーナ計画の問題を超えた大きな判断を豊橋市議会がしたということ。今後の地方自治体に大きな影響を与える可能性もあり、重要な判断となるので慎重に対応したい」との考えを示した。
また、新アリーナ計画の契約を巡っては、長坂市長が就任直後、特定事業者「豊橋ネクストパーク」へ解約へ向けた協議を申し入れた。現在は市側の申し入れに対する同社からの郵送物が届いたままで、関係者との接触もないとした。
市議会での条例改正を踏まえ、市長公約の計画中止へ向けた影響について問われると「条例改正への法的対応と、計画中止の方針とは別問題」とし、今後も事業者との協議を進める意思に変わりがないと強調した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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