田原市に練習拠点を置くトヨタ自動車陸上競技部が、来年1月1日に開かれる「第69回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)」に出場する。パリ五輪代表の太田智樹選手や実績のある西山雄介選手らをそろえ、連覇を目指す。注目は田原出身の吉居大和選手。中部北陸予選の雪辱を果たせるか。
前回は7区間中4区間で区間賞を記録し、3連覇を狙った2位のホンダに2分9秒差をつける圧勝劇を見せた。だが、今回は厳しい戦いが予想されている。服部勇馬主将や田澤廉選手ら前回メンバーがコンディション不良でメンバー外に。佐藤敏信総監督は「前回のようにはいかないのでは」と見る。熊本剛監督も「優勝するには若手の成長が必要不可欠」と話す。
その一人が地元出身の吉居選手。中央大学2年時には、箱根駅伝1区の歴代区間新記録を樹立した。
今年4月に憧れのトヨタに入団。父がチームの元ランナーで「小学生の頃からレースを見に行き『かっこいいな』と思っていた。ニューイヤーでもいつかは走りたいと思っていた」と回想する。
1年目は思うようにいかない日々が続いた。6月の日本選手権の5000㍍では20位。11月の「中部・北陸実業団駅伝」では、コンディション不良の太田選手の代役でエース区間の2区を任されたが、本来の伸びのある走りが見られず区間8位。チームは3年ぶりに優勝を逃した。「応援してくれたのに申し訳ない」と人目をはばからず大粒の涙を流した。
8月に北海道や米ユタでの高地トレーニングで調整を重ね「調子は悪くなかったのに」と首をかしげたが、要因に「単独走」での経験不足を挙げた。大学時代の主戦場は集団走のできる1区。「周りを気にしながらペースを調整できるが、そうはいかなかった」と反省した。
11月27日の「八王子ロングディスタンス」(5000㍍)では27分42秒88の自己ベストで、調子は上向きだ。本大会に向けて「自信を持って送り出せるように体調を整え、区間賞狙いたい」と意気込んだ。
前橋市の群馬県庁前を発着点に、41チームが7区間(100㌔)で争う。熊本監督は「これからトヨタを背負う選手」と吉居選手への期待は揺るがない。当日は最長区間の1区もしくは、スピードが求められる3区で起用するとみられる。スタートは午前9時15分。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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