東三河8市町村長を囲む新春懇談会(東三河懇話会主催)が8日、「豊橋市のホテルアークリッシュ豊橋」であった。今回は各市町村の重点施策のほか、デジタル化(DX)時代を迎えた広域連携のあり方をテーマに盛り込んだ。行政DXと広域連携では住民生活や産業などの活用策のほか、近隣自治体との連携も意識した取り組みにも触れた。
豊橋市の長坂尚登市長は、ICT(情報通信技術)の普及も踏まえた取り組みを紹介した。タブレット端末を使った不登校児童や生徒の学習支援、80カ国から集まる外国人市民向けの多言語通訳サービスなどを紹介。若者議会の提案を受けたシニア向けスマートフォン教室の事業化にも触れ、誰一人取り残さない安全網を整える考えを示した。また、地域のアニメコンテンツを生かし、近隣自治体と連携した広域観光や誘客につなげる可能性なども挙げた。
豊川市の竹本幸夫市長は道路補修と維持管理システムや電子回覧板アプリを生かした自治会の取り組みを挙げた。電子回覧板は全自治会の約3割が登録するが、負担減少につなげるための世帯別の普及率(10%)の向上を課題とした。
蒲郡市の鈴木寿明市長は観光振興策で導入したクーポン「デジタルがまポン」について、観光消費や周遊スポットの人流データの分析でさらなる誘客につなげたい考えを示した。また伊勢湾フェリーと連携し、国道23号と並ぶ海上観光ルートの開発へ意欲を見せた。
新城市の下江洋行市長は、窓口業務改革でDXを採り入れた。事前調査で転入手続きなど市民の窓口負担を可視化した。申請書類への記入と動線なども数値化して効率化に努めている。市内で定着した「軽トラ市」は宮崎県川南町とリモートでのイベント開催を試みた。愛知大学と連携し、石川県輪島朝市への出張出店にも取り組んだ。
田原市の山下政良市長は豊橋技術科学大学と連携したスマート農業、豊橋市や両市のJAと組んだ販路拡大への取り組みなどを紹介した。一方、市内で500㌶まで増えた遊休農地について、DX効果を高めるための集約が鍵を握るとした。
設楽町はプログラミング技術が不要なノーコードツールを生かした業務効率化を、東栄町は防災への活用策を挙げた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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