教諭の不祥事相次ぐ
2017(平成29)年も残りわずか。今年は豊橋市で教諭による体罰が明るみになり、同市に住む小学校教諭の男が強制わいせつ罪で再逮捕されるなど、教師の品格が問われた1年だった。また、新城市内であった東名高速道路バス事故、豊橋、豊川両市を襲った竜巻など、東三河で起こった事件事故を3回に分けて振り返る。
友人を守りたい。自分と同じことをされてほしくない-。少女の小さな声から教諭の体罰が11月、豊橋市内で発覚した。
10月6日、市立岩西小学校の40代男性教諭が担任する2年生の学級で、女子児童の後頭部に手をあて「黒板をよく見なさい」と言って複数回、黒板に頭をぶつけた。
同月30日、母親が学校側に説明を求め男性教諭と対面するも、誠意ある謝罪の言葉はなかったという。
その後の調査で、女子児童のほか、顧問を務めるバスケットボール部の6年生1人を含む男子児童7人が、定規で頭をたたかれたり、両手で頬をつねられたりなどしていた。
過去にも暴力沙汰を起こし、処分を受けていた男性教諭。春先から心配する保護者の声が学校に寄せられていた。学校側は、学級を2人体制として、9月からは校長や教頭らが授業を観察し指導していたが、いずれも教諭が1人のときに起こった。
11月10日夜にあった説明会でも、保護者から「組織として子どもたちを守れたのではないか」「対応が遅い」など厳しい意見が相次いだ。
取材を進める中で、男性教諭がおよそ20年前にも、市内の中学校で、顧問を務める水泳部の生徒たちに対し、水着姿でプールサイドに正座させたり、肩を強く押したりするなどの体罰ともとれる行為を行っていたことも分かった。
その後、男性教諭は部員らの前で土下座し謝罪したというが、あの時の反省の念は時間と共に消え去っていたようだ。
当時の部員や生徒らは「行為がエスカレートしている。とっくに教師をやめていると思った」「自分の思い通りにならないと怒っていた。体罰と聞いてやっぱりと思った」などと話した。その後も、他の小学校で問題を起こし、戒告処分を受けていた教諭。野放しにし続けた教員委員会の管理体制にも疑問が残った。
豊橋市内の集合住宅階段踊り場に当時7~9歳の女児3人を誘い出し、体を触ったなどとして、昨年末から今年にかけ田原市内の小学校に勤務していた教諭の男(45)=豊橋市=が、強制わいせつ罪で逮捕された。8月、名古屋地裁豊橋支部で懲役3年6カ月(求刑5年)の判決を受けた。
裁判で語られた行為は、およそ教育者とは思えないもので、ノートに走らせるペンが何度も止まりそうになった。裁判官も「自らの性欲を満たすために性的知識のない幼い児童を対象とした卑劣な犯行。犯行形態も悪質で、常習性もうかがわれる」と強く非難。最後に「被害者と保護者の悲しみや怒りはあなたが想像する以上のつらさ。幼い子どもへの性犯罪は再犯も心配される。どうして罪を犯したのか考え続けてほしい」と諭した。
このほか、豊橋市内の小学校で女児(当時7歳)の体を触ったとして、11月、実習に来ていた浜松市の愛知大学4年の男(22)を、豊橋署が強制わいせつの疑いで逮捕したが、名古屋地検豊橋支部は不起訴とした。
2月には、私立高校教諭の男(29)を豊橋署が自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕。「仕事に間に合わず急いでおり、気が動転していた」などと話していたという。