五穀豊穣を祈願「鳳来寺田楽」

2018/01/04 00:00(公開)
神天使の舞を披露する子どもたち=新城市の鳳来寺田楽堂で
 新城市門谷の鳳来寺で3日、国重要無形民俗文化財に指定されている「鳳来寺田楽」が行われた。初詣客が見守る中、地元住民らでつくる田楽衆が五穀豊穣(ほうじょう)や厄(やく)伏せなどを祈願する舞を披露した。
 鳳来寺田楽は、鳳来寺山の開祖・利修(りしゅう)仙人の命に従って山中に住んでいた3匹の鬼を埋葬し、守護神としてまつったのを機に、供養のため寺の僧が村人とともに踊ったのが始まりとされている。農民生活と僧の修行、安全祈願が結びつき、室町時代に現在のような形態になったという。
 同寺本堂前の田楽堂で地元住民ら21人が演じた。「神天使の舞」では、稚児たちが鼓を持って笛と太鼓に合わせて舞った。指導者の小笠原則彦さんは昨年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で幼少期の井伊直政「虎松」が寺で過ごしたと取り上げられたことに触れ、「戦国時代でも虎松がこの舞を踊っていたかもしれません」と説明した。
 ほかにも厄(やく)伏せや魔除けの祈願をする「獅子伏せ」や、今年の作柄について吉凶を占う「弓納」など次々と繰り広げられた。
(安藤聡)
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