家族でかなえたプロの夢 豊橋中央高の中川捕手

2020/10/28 00:00(公開)
オリックスに指名され、笑顔の(左から)知章さん、中川、美優さん、昌枝さん=豊橋中央高校で
 26日のプロ野球ドラフト会議で、オリックス・バファローズから5巡目指名を受けた豊橋中央高校の中川拓真捕手(3年)。幼い頃からの夢をかなえた努力の日々を支えたのは、家族との強い絆だった。

 テレビが発した「中川拓真」という言葉に、家族全員が感情を爆発させた。豊橋市内の同校体育館で、一緒に吉報を待った父知章さん(49)、母昌枝さん(47)、妹の美優(みゆう)さん(17)は笑顔で手を取り合うと、すぐに涙が込み上げてきた。喜ぶ家族を横目に、中川は「小学生から10年間支えてくれた家族に感謝したいです。『ありがとう』しかないです」と話した。
 中川が保育園のころ、知章さんがクリスマスにおもちゃのバットとボールをプレゼント。プレー経験はないが、野球観戦が大好きな父は「自分が押し付けてしまった」と振り返るが、息子はすぐに野球に夢中になり、東陵中時代には東三河ボーイズでプレーした。会社の仕事と両立しながら、遠征にも出掛けてサポートした。「まさか、自分の子がプロ野球選手になるなんて」と目を赤くして言った。
 兄の野球中心の生活となった家族に、寂しさを抱いたのが1歳年下の美優さんだった。それでも生活面でサポートした時、兄から必ず返ってきた「ありがとう」の何気ない言葉に救われた。豊橋中央とはライバル関係にある桜丘高校に通うが、野球部は兄のチームを応援した。「遠征で家で独りになる日もあって寂しかったけど、今はプロの夢がかなって本当にうれしい。自慢のお兄ちゃんです。友達にも自慢します」と笑顔で話した。
 「親の手から離れるから寂しいですね」と本音を漏らした知章さん。「(オリックス本拠地の)大阪は比較的近いので、仕事が休みの日は京セラドームに応援に行きます」。これからも息子の挑戦をサポートしていく。
【由本裕貴】
中川㊧を涙目で見つめる美優さん㊥と昌枝さん
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