今年の箱根駅伝1区で15年ぶりに区間記録を更新した田原市出身の中央大学2年、吉居大和選手が6日、田原市役所を訪れた。大会MVPの金栗四三杯を受賞したことなどを山下政良市長に報告した。
吉居選手は大手町をスタート後5・6㌔地点で集団から飛び出して独走。1時間0分40秒で2区にたすきをつないだ。それまでの1区の区間記録は2007年に東海大学の佐藤悠基選手が作っており、今大会では最も古かった。それを15年ぶりに26秒縮めた。昨年の箱根駅伝で3区を走り、区間15位に終わった雪辱を果たした。
山下市長は「市民皆が感動した。勇気を与えてくれる走りだった」と褒めたたえた。「来年は、弟の駿恭選手(仙台育英高校)とともに箱根を走ってほしい」と述べ、花束を贈った。吉居選手は「コロナ禍で難しい状況だったが、テレビで応援してくれる皆さんに少しでも勇気を与えられる走りができたと思う」と振り返った。「来季は箱根や、ほかのレースでいい結果を残せるように頑張っていきたい」と抱負を述べた。
その後の取材に、個人目標は区間賞とシード権だったと述べた吉居選手。「どちらも取れて満足のいく結果だった」と語った。「10㌔地点でタイムを確認した時は自分でも驚いたが、余裕があったのでいけると思った。ラストスパートでライバルに負けたくないと思い、走りきった。昨年の大会では悔しい思いをしたので、同じような失敗はできないぞと、しっかり準備をして余裕を持って臨めた」と大会を振り返った。
「来年の箱根ではチームの状況に合わせ、2区や3区も走れるように準備したい。少しずつ力を付け、小さい頃からの夢だった日本代表として世界で戦えるようになりたい」と夢を語った。
吉居選手が田原東部中学校時代に陸上部顧問だった上田幸輝教諭も駆けつけ「本当にすごい。昨年の悔しさを粘り強く乗り越えた。子どもたちの憧れの対象になる」と話した。
田原市出身で箱根駅伝に出場したのは、08年に7区を走った亜細亜大学の小川雄一郎、21年で7区を走った日本体育大学の森下滉太の両選手に続き3人目。
【岸侑輝】