豊川稲荷(妙厳寺)の福山憲隆住職の「晋山結制(晋山式)」が22~23日に営まれる。福山住職の就任披露法要になる。併せて完成した新法堂の落慶法要がある。福山住職に抱負などを聞いた。
-晋山結制を迎えます。決意をお聞かせください。
◆2021年に住職になり4年目に入りました。今の時代は就任後すぐにではなく、ある程度準備してから、晋山式をして新住職を披露するのが習わしです。豊川稲荷の住職や永平寺の貫主を務めた福山諦法さんから、「晋山式はスタートであり、その後の運営が大切」と言われています。この言葉を胸に刻み、勤めていきます。
-新法堂の落慶法要もあります。
◆法堂(本堂)は、24世が江戸時代の天保年間に再現した建物で、200年ぶりに建て替えました。本尊の千手観世音菩薩も新しくなります。新しい本尊の胎内に以前の本尊を安置しました。このようなご縁をいただいた晋山式で、恐悦至極であり、精進を重ねていきます。
-心掛けることは。
◆三つあります。一つ目は火の用心です。寺社仏閣は木造建築が多く、その中で法要、儀式では線香、ろうそくを使います。二つ目は参拝者へ懇切丁寧に接することです。多くの参拝者が訪れますが、どの方も気持ちよく、未来に進めるよう後押ししたいです。三つ目は体調管理です。
-地域との連携も大切です。
◆正月3が日を中心に多くの参拝者が訪れてくれる場所です。これは地域の多くの人に支えられ、力添えをいただいているからです。宗教の本質は失わないよう、できる限り地域からの要望に応えたいと思っています。
-晋山式と落慶法要が終わると、新しい本尊の特別拝観が始まり、2026年には午年開帳、2030年には大開帳が開かれます。
◆新しい本尊の特別拝観は、寺として大きな行事です。その後、午年開帳、大開帳へと続きます。寺としてできることは限られていますが、商工会議所や商店街など地域と連携し、多くの参拝客が来ていただき、活性化につながることを望んでいます。
-御開帳はいつからやろうと考えていましたか。
◆私が住職になる前から、本堂の建て替えに合わせてやりたいとの話がありました。最後の開催が1954年ですが、当時の資料を確認しながら、準備を進めているところです。
豊川稲荷では「初午祭」をしており、「午」には縁があります。その縁があること、54年が午年であったこと、法堂が完成して落ち着いた頃がちょうど午年に当たることなど、さまざまな事が重なり午年に御開帳をすることになりました。
さらに2030年には本殿100周年を記念した大開帳があります。基本的な内容は午年開帳と同じですが、期間が違います。午年開帳は23日間ですが、大開帳は3カ月余あります。
-大開帳の後、御開帳はどのようにしていきたいと考えていますか。
◆7年に一度、御開帳をする長野県の善光寺のように奉賛会のような組織がないと、開いていく意味がないと感じています。地域と連携ができるのなら、定期的に開いていきたいです。正月以外にも多くの参拝客が来てもらえるよう、地域の皆さんと協力していきます。
(ふくやま・けんりゅう)
1977年10月31日生まれ。静岡県出身。愛知学院大学卒。永平寺79世貫主の福山諦法氏の弟子として修行した。2021年から妙厳寺住職。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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