田原市野田町の米農家河合英子さんが、自家産のコシヒカリやあきたこまちを「えいこ米」として販売し、地域の魅力をPRしている。
同町は渥美半島の米どころ。豊川市出身の河合さんは結婚してから29年、夫の実家で米作り全般を手伝ってきた。
自家産米のPRを始めたのは2年前。きっかけは、作った米が良いものも悪いものも一律の値段で買われていくのにモチベーションを保つのが難しいと感じていたことにあるという。「いくら良くても悪くても同じ値段。おいしいと買ってくれる人には申し訳ないし、自分たちにも夢がない」と語った。
身近な人のおいしいという好評の声を後押しに、東三河や静岡のマルシェなど農産や物販関係のイベントでPRを始めた河合さん。昨年3月、蒲郡市三谷町の「ホテル三河 海陽閣」のおかみ、兼子栄子さんと縁があり、ホテルで米を使ってもらえるようになった。
ゴールデンウイークを前に、ホテルの物販コーナーで土産品として英子さんの米を販売することになり、そこで2人にちなんで「えいこ米」の名前が決まった。「大ヒットさせましょう、と後押ししてもらったのは忘れられない」と振り返った。
パッケージには一つ一つ河合さんが絵を描いている。米を買ってくれた人が渥美半島を訪れた際には、米作りの見学や体験を勧めているという。「おいしいものを皆に届け、渥美半島の良いところを全身で感じてもらいたい」と語る。
甘みがあり、冷めてもおいしく、ツヤがあって、米が立っていると評価が高い。品種は8月中旬から9月上旬はあきたこまち、それ以外ではコシヒカリを販売する。税込み5㌔2000円、10㌔3400円。米粉もある。引き出物用の3合入り小袋などさまざまなオーダーに応じるという。
「えいこ米を食べて、ぜひ渥美半島野田へ来てほしい」とPRした。問い合わせは河合英子さん(080・4524・7615)へ。
【岸侑輝】
河合さんの絵が描かれているパッケージと米粉「えい粉」