豊橋市議会3月定例会は26日の本会議で、昨年12月定例会で豊橋公園での新アリーナ関連事業継続を求める請願を採択したのを受け、長坂尚登市長がその後の事務処理経過や結果を報告した。長坂市長は市長選結果の尊重を理由に「現時点で契約継続は検討していない」と述べた。請願提出者らは議会後の会見で「不誠実で無責任な、問答無用のゼロ回答」と憤った。
請願は昨年12月3日付で、市民団体「豊橋新アリーナを求める会」が市議会へ提出した。求める会によると、請願書に添えた署名は約2週間で市民約6万人を含め13万4092人分に上った。
本会議で長坂市長が提出した報告書は、12月20日の請願採択から、署名簿の内容確認を試みた経緯などを記した。さらに「請願採択の重みを認識している」としつつ、アリーナ事業の契約継続は「市長選の結果を尊重すべきだ」と現状では検討していないとした。
本会議では2人が質疑に立った。菅谷竜氏(新しい豊橋)は請願者(署名簿)の集め方や署名簿の保管方法についてただした。市側は請願者(署名簿)の確認資料を求めたが送付されなかったと明かした。
一方、田中敏一氏(自民)は長坂市長の「請願採択の重み」「市長選結果を尊重」を踏まえて質問。「市長選の民意にはアリーナに賛成する得票も含まれていると」とし、尊重すべき民意に矛盾がある点を指摘した。
閉会後、求める会の川西裕康共同代表は紹介市議らと記者会見した。川西氏は市長の報告内容について「ゼロ回答と受け止めた。署名に協力してくれた13万4092人の皆さんに申し訳ない気持ちだ」と述べた。
同席した紹介市議のうち古池もも氏(とよはしみんなの議会)は「公約順守は大切だが、議会が担う民意も踏まえた議論や調整が不可欠。この日の報告は、議会制度や議員の存在意義が否定するものだ」と議会軽視の姿勢を批難した。
松崎正尚氏(自民)は過去の議会答弁や要望への対応を踏まえ「自身の公約を優先するあまり、周辺で何を言おうと応じてはもらえない。長坂市長へ投票した人だけが豊橋市民なのかと誤解を与えるようで残念」と指摘した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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