豊橋市9月定例会は1日、一般質問で8人が登壇した。菅谷竜氏(新しい豊橋)は、新アリーナ関連事業で廃止された豊橋公園の旧豊橋球場の移転先について、基本設計にある「豊橋総合スポーツ公園B地区」(同市神野新田町)以外での検討状況をただした。市側の答弁で、高師緑地公園(同市高師町)などの可能性を探っていたと明かした。
菅谷氏は、津波避難困難地域の同公園B地区での立地に反対してきた経緯を踏まえ、庁内でほかの用地の検討状況をただした。
山口雅己文化・スポーツ部長は、新野球場と同程度の面積や災害リスクが低い場所として、高師緑地公園のほか市街化調整区域を挙げた。詳細は用地買収などを理由に説明を避けた。
新球場の移転先を巡っては、長坂尚登市長が8月19日の市議会全員協議会で、同公園B地区での整備を前提に昨年10月作成して未公表だった基本設計を示した。
全協の説明で従来方針通りの立地と解する受け止めに対し、長坂市長は25日の記者会見で「市議会や市民の意見を聞きたい」とし、全協での発言で立地が確定したわけではないと説明した。
29日の議会運営委員会で一連の発言の齟齬(そご)をただされたが「齟齬はない」と主張。立地に触れている基本設計で説明したにも関わらず、決定ではないと主張する姿勢に計画への賛成、反対を問わず市議から「説明が足りない」と指摘された。
一方、高師緑地への移転は周囲の国道259号など渋滞対策は必須課題に挙がる。住宅街にも近く、防球ネットやナイター照明による光害などの対策も必要だ。津波や液状化対策が減る分、現行の補助金メニューの組み直しや住宅街での新たな対策費を踏まえた検討が欠かせない。
諸井菜々子氏(新しい豊橋)は、新アリーナ事業での公園周辺の渋滞対策をただした。
市は「利用状況に応じた価格変動やチケットレスシステム、中心市街地の駐車場と連携したパークアンドライド割引で対応したい」とした。
駐車場の利用料設定など、具体的な運法手法については、事業者との協議で慎重に進める方針を示した。渋滞回避策として、周辺に新たな道路や橋を設ける考えは現時点でないとした。
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