蒲郡市デジタル行政推進課課は、データ社会の推進に貢献したとして「DATA―EX賞」(データ社会推進功労者表彰)=ことば①=を受賞した。
賞は、データ利活用による社会課題解決のモデルケースを顕彰する。蒲郡市と自治体向けDX支援を行う「Gcom(ジーコム)ホールディングス」(福岡市博多区)が連携して取り組むデジタル施策「がまポイントアプリの活用」と、その効果をデータで裏付ける「EBPM(証拠に基づく政策形成)」の姿勢が高く評価された。
今回の受賞で主眼となったのは、単にアプリを導入したことではない。その背後で動くGcom製のEBPM支援ツール「Acrocity×BI」=ことば②=による分析プロセスだ。
蒲郡市が運用する「がまポイントアプリ」は、健康づくりやイベント参加でポイントがたまる仕組みだが、市はこれを「やりっぱなし」にはしなかった。まず、匿名化された利用データを性別・年齢層ごとに可視化することで「誰が、いつ、どこで動いたか」を把握。そして導入17カ月で登録者は3300人(対象人口の約6・6%)に到達し、特に30代から60代の女性の利用率が高いことが浮き彫りになるという分析の結果を得た。
市はこのデータを基に、「どの層に、どんなイベントが”刺さる”のか」を客観的に把握し、次なる施策の改善へ即座に反映させるサイクルを確立した。
自治体にとって最大の壁は「データはあっても、分析できる専門職員がいない」という点だ。蒲郡市はこの課題に対し、Gcom社のツールを活用することで、複雑な統計知識がなくても現場の職員がグラフやマップで直感的に状況を把握できる環境を整えた。
この「職員が使いこなせる仕組みづくり」こそが、全国の自治体が抱える「DXの壁」を突破するヒントとして、審査員から高い関心を集めたポイントといえる。
ことば①
DATA―EX賞
一般社団法人「データ社会推進協議会」が「デジタルの日」に賛同し、データ社会に貢献する活動、研究、事業において顕著な業績を上げた個人や組織、事業を表彰する制度。デジタル庁が掲げる「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の実現を目指し、データ活用の促進を目的としている。
ことば②
Acrocity×BI
地方自治体の住民データを匿名化し、グラフやマップを自動生成するEBPM支援ツール。基幹情報システムと接続することにより住民情報、福祉情報、水道情報、内部情報など多岐にわたるデータを自動集計し、部局横断で集計結果を「見える化」することにより、データリテラシーが低い職員でもデータの利活用が可能となる。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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