「忌引と生産性」の実証実験 東三河の7社参加、「働く喪主」支援

2026/04/06 00:00(公開)
事業のイメージ
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「東三河モデル」打ち出す

 サーラグループは、都内のスタートアップ企業「Waterhuman」と連携し、東三河地域で「忌引と生産性」に関する実証実験を開始したと発表した。地域の企業7社が参画し、社員が身内を亡くした際の「働く喪主」に対する支援と、職場復帰後の生産性の関係を検証する。

 近年、核家族化や地域社会のつながりの希薄化により、遺族の負担が増加している。加えて、今後5年以内に労働人口の多くが死別に直面する「多死社会」が到来すると予測されている。実証実験の顧問を務める京都大学のカール・ベッカー名誉教授の研究によれば、死別の悲嘆による経済損失は日本全体で約3兆円規模に達するという。人手不足が深刻化する中、煩雑な手続きや精神的負担を抱える社員への心のケアは、個人の問題から企業の持続可能性を左右する重要な経営課題へと変化している。

 実証実験期間は3月1日から8月31日まで。対象となるのは、製造業や物流業など東三河地域の地元企業7社だ。忌引休暇を取得する社員に対し、状況に応じた死後手続きリストの作成やチャットによる個別相談窓口を提供する。同時に、忌引に伴う費用の可視化、死別の悲嘆が個人の生産性に与える影響、離職率などへの長期的な影響についてデータの収集と分析を行う。

 今回の取り組みは、サーラグループが運営する共創拠点「エムキャンパス・スタジオ」が橋渡し役となり実現した。地域の中核企業が中心となり、業種の異なる複数の中小企業を結びつけ、一つのスタートアップのサービスを同時検証する仕組みは「東三河モデル」と呼ばれる。中小企業単独では困難な最先端サービスの検証コストやリスクを最小化しつつ、多角的なデータを短期間で収集できる利点がある。

 参加企業は「サーラ物流」「シンニチ工業」「スバル東愛知販売」「豊橋木工」「中部合成樹脂工業」「マルシメ」「ヤマサン」の7社。

 行政主導ではなく、民間企業の連携による自律的な組織構築を目指しており、持続可能な職場環境づくりを目指す日本初の試みとして注目される。

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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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