のんほいパーク、カピバラの餌やり終了の理由とは?

2026/04/02 00:00(公開)
好評だったふれあいコーナー(提供)
好評だったふれあいコーナー(提供)

 動物福祉への配慮から、豊橋市の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は、1日からカピバラのえさやり体験を終了する。「動物ファースト」を掲げた独自色の発信に知恵を絞っている。

 

 動物福祉は1960年代に英国で提唱された。動物の生涯を通じて健康的な生活を保障しようという考え方で、世界的な潮流となっている。愛知県も2021年に「あいち生物多様性戦略2030」を制定し、希少種の保護や環境学習を重要な柱に据えた。

 

 日本では明治時代に初めて動物園が開設され、庶民の娯楽施設として定着した。近年は展示にとどまらず、触れ合いや餌やりの体験を行う園も多い。同園でもかつては猿やシマウマなどへの餌やりも行っていたが、20年以降に方針を抜本的に見直し、野生動物への餌やりを廃止した。昨夏は記録的な猛暑が続き、触れ合いイベントを中止した。「餌を投げ入れる行為は、人間が優位であるという意識を植え付けてしまう。教育的にも動物福祉的にも良くない」と獣医師の吉川雅己さんは話す。現在は人との接触がストレスになりにくいヤギや羊などの家畜に限定している。

 

 来場者からは理解の一方で疑問の声も届くが、吉川さんは「公立園としてぶれずに教育的役割を果たし、野生動物の尊厳を守るメッセージを発信し続けたい」と語る。園側も展示を工夫し、野生動物の生態をイラストで解説したり、キリンと同じ目線で観察できるデッキを整備したりと、ありのままの姿を間近で体感できるよう注力する。

 

 地域の企業とも連携し、絶滅危惧種の啓発活動も展開中だ。科学的知見に基づいた「種の保存」にも力を入れる。絶滅危惧種アカモズの人工育雛(いくすう)に世界で初めて成功したほか、他園の個体を預かる拠点としての役割も担う。「動物が動物らしく生きる姿を親子で学ぶ場所にしたい」と新たな動物園のあり方を模索し続けている。

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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