シラスの水揚げ漁港として知られる田原市の赤羽根港で、太平洋から流れ込む漂砂が急増している。砂が積もりやすい箇所ができ、漁業関係者らは船が行き交う航路への堆積を心配している。漁港を管理する県三河港務所では地元漁協の要望を受け、緊急の浚渫(しゅんせつ)へ向けた準備に入った。
港内では漁船などを留め置く泊地から沖へ向かって航路沿いに東西の防波堤があり、さらに西側にも別の堤防が整備されている。漂砂は静岡県の天竜川から流れ着いたもので、東防波堤の沖を通って西堤防の南端付近へ流れ着く。一帯は砂が堆積しやすい「サンドポケット」と呼ばれ、さらに港の奥へ流入すれば航路の水深が浅くなってしまう心配があった。
港務所は毎年、漁港を利用する愛知外海漁協の要望を踏まえて航路の水深確保のための浚渫を実施している。航路と泊地で掘り起こした年間約1万立方㍍の砂は、三河湾の水質浄化を図る覆砂事業のほか、田原臨海部での埋め立て造成に活用している。
定期的な浚渫で船の運航を妨げない水深を保っていたが、今年3月頃までに漂砂量が急増した。港務所管理の航路から外れた西防波堤沿いに砂の堆積が顕在化した。例年なら台風後に砂が引くが、昨秋は近隣で台風が来なかったことも影響したとみられる。
周辺には気象庁の潮位観測装置のほか、県水産課が産卵促進で設ける漁礁の仮置き場がある。水産課によると漁礁を運ぶ作業船が砂の堆積で進入できず、3月末に予定した作業が5月末まで延期しても実施できない状況だという。12日には水産課職員らが作業現場付近を調査した。担当者によると少なくとも水深3㍍は必要だという。
港務所はサンドポケットに近く、航路にかかる西堤防の先端で陸上からの緊急浚渫工事へ向けて準備に入った。
愛知外海漁協の吉武正康組合長(65)は「ここは海難事故の船舶も立ち寄る第4種漁港だ。船が安心して立ち寄れるためにも、管理者の県の協力が今後も欠かせない」と実情を説明した。
港務所の担当者は「表浜沿岸の漂砂対策は長年の課題。自然現象のため制御できず、台風や低気圧など気象条件にも左右される。今回のような急な漂砂に驚いている」と述べた。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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