豊川市馬場町の国道151号沿いにある飲食店「東京庵豊川店」のシンボルである水車が故障していたが、豊橋市石巻本町の「ながら・加藤建築」の棟梁(とうりょう)、加藤泰久さん(59)が新造した。再び動き出し、来店客の目を楽しませる。
1976年の開店に合わせ、そば粉をひくための水車小屋を造った。実際に水を流して水車を回している。何度も修理や水車の取り換えをしてきたが、これまでは遠方の業者が中心だった。店は技術がある加藤さんが地元にいることを知り、発注した。
古い水車の傷みが激しく修理は難しいと判断し、直径3㍍の水車を新造することになった。材料から手配し、杉の丸太を購入して製材したうえで板にした。十分に自然乾燥させてから加工に入った。常に水がかかるため、腐りにくい木の中心部にある赤い部分のみを使い、木目が細かいものを選んだ。
木組みはホゾやコミセンなどにして、できるだけビスなどの金属を使わないようにした。使ったビスもステンレス製にして、さびにくくした。ホゾなどで木組みをするには高い技術が必要だが、加藤さんは普段手がけている住宅建築とは異なる特殊な仕事にも、2024年に「あいちの名工」に認定されたその確かな技で対応した。
東京庵の戸倉信一郎社長は「水車は地域のランドマーク的な存在で、加藤さんの手により、素晴らしいものができた。これからも水車が回り続けるようにしていく」と述べた。山口文昭店長は「加藤さんは地元の大工さんで、トラブルがあったときでもすぐに修理に来てくれるので安心」と話した。
加藤さんは「多くの人が知っている東京庵の水車の工事にたずさわることができ光栄です。大工としても楽しい仕事ができた。さまざまな工夫をして、少しでも長く回り続けるようにしました」と話していた。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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