桜丘高校軟式野球部の鈴木悠太選手(3年)が、「第2回春の軟式交流試合 in 甲子園」(4日、阪神甲子園球場)に西日本選抜の「3番・捕手」として出場した。全国から選抜された50人が東西両軍に分かれて激突する試合で3打数2安打と活躍した。3対3の引き分けだった。
昨秋の東海大会準優勝が認められ、鈴木選手はブロック役員の推薦を受けて西日本選抜に入った。鈴木選手にとって甲子園は中学時代から追ってきた憧れであり、一度は「諦めた」場所でもある。
中学時代、硬式チーム「三州ボーイズ」で、中京大中京高校へ進んだ先輩の姿を現地で目に焼き付け、夢を膨らませた。しかし、桜丘の硬式野球部へ入部後、指導方針に悩み1年秋に退部。野球を辞めることも考えたが、クラスメートの神藤蒼太投手に誘われ、軟式へ転向した。「硬式を辞めた時は、もう甲子園には行けないと思った」と振り返る。
当初はギャップに苦しんだ。変化球を捕る際の不規則な跳ね方に苦戦し、硬式の感覚でバットを振るとボールが潰れて飛ばず、悩んだ。支えとなったのは経験者の父康司さん(57)との特訓だ。センター方向へバットにボールを乗せる意識で、自宅で鈴入りのスポンジボールを打ち込み、ミート力を磨いた。
昨年8月、中学時代の先輩の近藤瑠生斗さんや同級生の磯貝悠斗さんらが豊橋中央高校野球部の一員として先に甲子園に立つ姿に「次は僕の番だ」と心を燃やした。昨秋の東海大会決勝では中京に敗れたが、正捕手としてチームをリードした。そして選抜メンバーとして聖地の土を踏んだ。三塁側から見た巨大な銀傘に「他の球場とは全然違った。わくわくした」と声を弾ませたが、試合では普段通りの集中力を見せた。
「一生忘れない」という経験を得た鈴木選手は、すでに夏に向かっている。東海大会優勝を果たし、全国選手権の頂点に立つことだ。顧問は「周りを見ることができる選手。軟式を頑張る子たちの希望の星になってほしい」と期待を寄せた。鈴木選手は「軟式でも甲子園に行けることを知ってほしい。競技人口が増えるよう、懸命にプレーしたい」と力を込めた。
購読残数: / 本
1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
週間ランキング
日付で探す