柴田選手が長距離転向を熱望し、鈴木亜由子さんを育てて評判だった夏目さんの門をたたいたのが始まりだった。「寡黙な子という印象だったが、走りはいいものを持っている」と、豊橋市立南陽中学3年生の夏に出会った当時をそう振り返る。一方、特に心肺機能や体ができていないと判断し「20歳までは長い距離をやりすぎない方がいい」と助言した。柴田選手は本宮山の林道やゴルフ場の芝生など軟らかい地面を走ってスピードを磨いた。その結果、中学時代に3000㍍のタイムを1分近く短縮できた。柴田選手は「自分では気づけなかったスピードという長所を知った」と感謝する。
滋賀学園高校時代は全国高校駅伝に3年連続出場し、3年時は800㍍日本記録保持者の落合晃選手(駒沢大学2年)とたすきをつないだ。一方で貧血や不調に苦しみ、大学進学後も一人で悩む状態が続いていた。
大学3年の夏、自身の甘さと向き合い「きっかけがあったわけではないが、何かやらないと現状は変わらない」と覚悟が決まった。苦手意識のあった長距離にも挑み、今年1月の箱根駅伝では1区(21・3㌔)で区間6位(1時間00分51秒)の快走を見せた。監督からは適性を疑問視されながらも「人が周りにいた方が勝負している感覚で好き」と直訴したという。今年1月には夏目さんと本宮山で練習した。
主戦場は5000㍍だ。冬はクロスカントリーに精力的に取り組み、土台作りとスピードの向上を図った。不整地面を走ることで、トラック競技に直結する筋力や洗練されたフォームを養う狙いだ。4月上旬の記録会では13分22秒46の好記録を出し、好調を維持する。柴田選手は「日本選手権の5000㍍はハードルが高いが、記録よりとにかく勝ちにこだわる。できる気がします」と闘志を燃やした。その先にあるのは、ロサンゼルス五輪や世界選手権の舞台だ。
柴田侑選手は、陸上のセイコー・ゴールデングランプリ(17日、東京・MUFGスタジアム)の男子3000㍍に出場し、7分39秒51の3位に入った。従来の日本記録を上回るとともに、日本学生最高記録を更新した。
柴田選手は序盤から先頭付近に陣取る積極的な走りを見せた。ペースメーカーが外れた残り1000㍍から集団を引っ張り、最後は優勝した森凪也選手(ホンダ)のスパートに逆転を許したものの、実業団の有力選手らと互角以上に渡り合った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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