三井住友海上火災保険愛知東支店長 山本氏に聞く

2026/06/29 00:00(公開)
山本支店長
山本支店長

合併まで1年切る

 三井住友海上火災保険愛知東支店の支店長に、山本剛氏が就任した。来年4月には、あいおいニッセイ同和損害保険と合併し、業界トップの企業となる。山本氏に展望と、目指すところを聞いた。【聞き手・山田一晶】

 ―合併まで1年を切りました。抱負を。

 ◆まずは合併を成功裏に成し遂げることが最大の使命です。その先には、損保国内収入保険料でトップとなるリーディングカンパニーとしての姿があります。ただ規模が大きいだけでなく、地域から信頼される存在になることが重要です。そのため合併後ではなく今年度から地域への取り組みを強化し、「地域共創」を軸に2~3年かけて基盤づくりを進めていきます。

 ―三河地域の印象を教えてください。

 ◆今回が初めての赴任です。尾張とは異なる独自の文化や気質があり、トヨタを中心とした自動車産業のサプライチェーンの集積に加え、農業・食品製造業など多様な産業が根付いています。非常にポテンシャルの高い地域だと感じています。

 ―あいおいニッセイ同和損保は自動車保険に強みがあります。

 ◆仰る通りです。今回の合併は、グループ2社双方の良い点を持ち寄り最適解を追求するものです。あいおい社の強みである自動車保険分野のノウハウやリソースも最大限活用されます。

 ―「地域共創」の取り組みについて教えてください。

 ◆地方創生というより、地域の多様な主体と共に地域をつくるという意味で「地域共創」という言葉を使っています。その中核として、12月に「三河地域サステナビリティ会議」(仮称)を立ち上げる予定です。

 すでに三河地域内で当社主催の二つの会議体があります。一つは域内の自治体が参加する「防災サミット」、もう一つは域内の信用金庫が集まる「信金会議」です。これらを発展的に融合し、防災・減災だけでなく、地域全体の持続可能性を考える枠組みにしていきたいと考えています。

 当社がハブとなり、自治体や信用金庫に加え、中小企業や大学・研究機関にも参加していただきます。防災やリスクマネジメントは当社の得意分野ですが、地域課題の解決には多様な知見が必要です。様々な地域プレイヤーの強みを結び付けるネットワークを構築したいと考えています。

 ―どのようなテーマを想定していますか。

 ◆防災・減災やBCPに加え、地域産業の発展、スタートアップ支援、伝統産業の継承、環境保全やCO2削減など、幅広いです。地域社会の発展の先に企業の発展があるというSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の考え方に基づき、地域課題解決のハブとなることを目指します。

 ―防災の重要性も高まっています。

 ◆自然災害は激甚化・頻発化しており、保険会社にとっても大きな課題です。保険金を支払うだけでなく、災害前後のソリューションを提供し、被害を最小限に抑える取り組みが重要になっています。そのためにも自治体や企業など地域のプレーヤーの皆さまと連携し、防災意識の向上を図っていきたいと考えています。

 ―代理店との関係については。

 ◆地域密着の代理店は実働面で本取り組みとの親和性が高く、地域防災を担う役割が期待されます。地域課題解決のネットワークの中に、エリアを網羅するかたちで代理店にも参加いただき、当社とともに地域貢献していただければと考えております。

 ―ありがとうございました。

 

◇やまもと・つよし

 大阪府出身。1999年、住友海上入社。大阪南支店・大阪南第二支社長、同支店・東大阪支社長、宮崎支店長を経て現職。趣味はサウナや温泉巡り。座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。社内では愛妻家で知られる。

 

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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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