県が南海トラフ地震の「津波浸水想定」を更新

2026/06/27 00:00(公開)
(県の資料から)
(県の資料から)

田原の津波高は20・2㍍で県内最大

 県は、南海トラフ巨大地震に伴う最大クラスの津波を想定した新たな「津波浸水想定」を公表した。2011年に発生した東日本大震災の教訓を踏まえ、発生頻度は極めて低いものの発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波(L2津波)に対し、住民の避難を柱とした総合的な防災対策を構築するための基礎資料となる。

 県は25年3月に内閣府が示した被害想定を受け、有識者による「愛知県南海トラフ地震被害予測調査検討委員会」を設置し、科学的で客観的な見地から予測調査の見直しを進めていた。

 今回の想定では、内閣府が公表した11の津波断層モデルのうち、県域に最も大きな影響を与えると考えられる五つのケースを選定し、シミュレーション結果を重ね合わせて最大となる浸水域と浸水深を抽出した。地震に伴う広域的な地盤沈降や、防波堤などの構造物が破壊される悪条件を前提に計算が行われている。その結果、県内の浸水面積は合計で3万5434㌶に達することが明らかになった。

 東三河の被害想定を見ると、田原市では浸水面積が3208㌶に及び、県内の市区町村別で最大の津波高となる20・2㍍が予測されている。また、豊橋市でも浸水面積2724㌶、最大津波高18・5㍍という非常に厳しい結果が示された。蒲郡市は浸水面積249㌶で最大津波高4・9㍍、豊川市は浸水面積313㌶で最大津波高3・3㍍と想定されている。

 県は今後、公表した津波浸水想定をもとに、沿岸市町村が進めるハザードマップの作成や住民の避難計画の策定といったハードおよびソフト面での対策に対し、技術的な支援や助言を行っていく方針。一方で、今回の想定は一定の条件下での計算結果であり、局所的な地形の凹凸や構造物の影響によって浸水域が拡大する恐れもあるため、県は住民に対して確実な避難行動の重要性を強調している。

 各地の浸水予測は県のサイトで見られる。

 

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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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