豊橋・吉田神社で石燈籠の奉納奉告祭

2016/12/16 00:00(公開)
再び設置された石燈籠。右は土井さん=吉田神社で
 伝統の手筒花火などが行われる豊橋祇園祭で知られる吉田神社(豊橋市関屋町、水谷雅則宮司)に江戸時代末期の石燈籠(とうろう)1基がよみがえった。地元・上伝馬町の元同祭奉賛会長でオケマツ会長・土井松男さん(85)の奉納で再生、設置され、15日には奉納奉告祭が執り行われた。
 同神社史によると、石燈籠は1854年に2基が奉納された。その後、昭和時代に入り、いつかは定かではないが、危ないため撤去された。
 再生された石燈籠は高さ約2㍍。江戸時代から残る石を使いながら、火を灯す部分「火袋」を新調するなどして神前の前に設置された。
 土井さんは「代々、吉田神社にお世話になり、大過なく過ごすことができ、日頃から何かを残したいという思いがあった」と奉納への思いを話す。奉賛会は1967(昭和42)年、亡くなった父・松一さんが立ち上げたという。
 奉告祭後、神社の祢宜・水谷昌泰さんが石燈籠について説明。当時、神社史に書かれていた大村氏が趣旨に賛同する人と燈籠を奉納し、燈籠の表に刻まれた銘文「大麻弊」の意味や、吉田藩の財政困窮など時代背景から「推測だが、何か不安を取り除くために奉納したのかもしれない」と話した。
(中村晋也)
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