豊橋で市民オペラ。「イル・トロヴァトーレ」大絶賛

2017/05/07 00:01(公開)
カーテンコールで手をつなぎ、拍手に応える(左から)並河さん、笛田さんらソリストたち=アイプラザ豊橋で
 三河市民オペラ制作委員会(鈴木伊能勢代表)の第4回オペラ公演「イル・トロヴァトーレ」が6日、アイプラザ豊橋で繰り広げられた。「トゥーランドット」以来4年ぶりとなる今舞台は、長い怨念の末に驚がくのラストシーンを迎える復しゅう劇だ。満席1300人のファンを前に約100人が舞台に立ち、2時間余のストーリーを演じ切ると、「ブラヴォー!」の連呼とスタンディングオベーションが起きた。7日も同じく午後2時から、ソリスト全員を交替して演じられ、当日券販売もある。
 地方都市から全国へ、一般市民も共演できるオペラ芸術を発信し、まち活性化に資する狙い。東三河5市と桜丘学園の共催、東愛知新聞社など後援。「魔笛」(06年)をはじめとする過去3回の公演で舞台に立った二期会員らソリストたちが、それぞれ仲間うちで「豊橋の市民パワーはすごい」などと評判が広まり、回を重ねるごとに注目を集めてきた。
 今回のイル・トロヴァトーレ(ヴェルディ作曲、全4幕)では、ソリスト出演希望150人が殺到し、昨年3月にオーディションを開き、合格した18人を選んだ。鈴木代表は音楽評論家から、「これは考えられる日本の最高の顔ぶれです」「東京文化会館でもできなかったことを豊橋で実現させたのはすごい」など、絶賛されたという。
 初日6日の舞台は、吟遊詩人・マンリーコに笛田博昭さん(テノール)、ルーナ伯爵に桝貴志さん(バリトン)、これら2人と“三角関係”のレオノーラ役に「豊橋は第2のふるさと」と話す“豊橋大好きソリスト”並河寿美さん(ソプラノ)、ルイス役には時習館高卒の前川健生さん(テノール)も加わった豪華陣。愛憎入り乱れる複雑な人間模様を描きながらも、ヴェルディの美しい楽曲の数々を園田隆一郎さん指揮・セントラル愛知交響楽団が奏で、見る人を中世スペインの物語世界へといざなった。
 中学生から70代の市民合唱団は、1年以上にわたる練習の成果を堂々と発揮し、滑らかなイタリア語でひのき舞台を盛り上げた。「一緒に舞台を作り上げた同志、仲間です」とたたえる鈴木代表。ソリストたちは終演後にロビーにそろって並び、観客と話をしたり写真を撮るなどコミュニケーションを深め、オペラの楽しさを分かち合っていた。
(藤田彰彦)
ルイス役を演じた後、ロビーで談笑する時習館高OBの前川さん(中央)=同
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