車いすテニスの国際大会で、豊川市大木町の三浦亜沙陽さん(18)が躍進を続けている。初の海外遠征となったリトアニアでの国際大会では、シニア(大人)とジュニア(18歳以下)の双方に出場。シングルスで各1勝、シニアのダブルスでも1勝を挙げ、計3勝という堂々の成績を収めた。世界のレベルを肌で感じ、「もっと強くなりたい」と意欲を見せた。
競技と出合ったのが小学4年生の時だ。下半身が動かない先天性の指定難病「脊髄髄膜瘤(ずいまくりゅう)」を抱え、入退院を繰り返す中で、リハビリ担当から「目的を持ってスポーツができるといい」と声を掛けられたのが始まりだった。豊橋市内で教室が開かれていることを知り体験会へ赴くと、驚きの世界が待っていた。 競技用車いすの興奮は今も覚えている。日常用とは比較にならないほど軽量で、わずかな力で反応する小回り。「こんなに動けるんだ」と驚き、自分が風を切り、駆け回る姿を想像すると心が躍った。
ラケットを持ち両手で車いすをこぎ、ボールを追う操作は容易ではない。ラリーができるまで1年以上を要し、練習後にはペットボトルのふたすら開けられないほど疲労がたまることもあった。
かつては内向的で、控えめな性格だったが、テニスを通じて同世代と関わる中で性格が変わり、現在は生徒会長を務める。母も「試合に出始めてから少し大人になった。遠征の準備や荷造りも全て自分でするようになり、主体的に動けることが増えた」と目を細める。
障害を「当たり前」と受け入れ、健常者をうらやんだことはないという。テニスは「嫌なことがあっても楽しくなれる生きがい」。現在は豊川市の自宅から名古屋市内の練習場まで週末に通い、年間数十試合に出場する。男子世界ランキング320位。「武器のスライスサーブは海外選手にも通用した」と自信を見せる一方で、「パワーと戦術面はまだ足りない。ただ打つだけでなく、前後に打ち分けたり相手を動かす駆け引きがうまい」と分析する。
愛知県出身でグランドスラム達成者の小田凱人選手に注目している。「チェアワークがすごく軽やかで速い。自分はまだ遅い」と話す。4月からは地元企業で働きながら競技を続ける。兵庫県で開催される国際大会「神戸オープン」に向け、「着実に勝ち上がって力をつけていきたい」と意気込んだ。
購読残数: / 本
1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
週間ランキング
日付で探す