フクシマ・ルポ 復興の灯③

2018/03/11 00:01(公開)
黄金の手筒と来店者を迎える浪江焼麺太国の浅見さん=まち・なみ・まるしぇで
復興の象徴「まち・なみ・まるしぇ」

 浪江町役場の前には、復興の象徴と言えるエリアが誕生していた。2016(平成28)年10月に開店した仮設商業共同店舗施設「まち・なみ・まるしぇ」だ。営業時間は平日の日中で、飲食店やコンビニ、物産店やコインランドリーなど10店舗が立ち並ぶ。
 その中に、豊川市と縁がある店があった。浪江町商工会青年部を中心に震災前に設立したまちおこし団体・浪江焼麺太国(なみえやきそばたいこく)のアンテナショップだ。震災に負けじとご当地グルメでPRを続け、58万人が来場した2013年のB-1グランプリ豊川大会でゴールドグランプリに輝いた。その時に贈られた黄金の手筒煙火のモニュメントが、来店者を迎えていた。
 厨房でアツアツの太麺に豚肉ともやしが絡んだ「なみえ焼きそば」を調理するのは、事務局長にあたる“麺房長官”の浅見公紀さん(42)。開店当時から焼きそばを振る舞い続けている。
 震災後、強い故郷愛から地元新聞社を退職し、浪江に関わり続ける道を選んだ。しばらくは避難先の南相馬市から車で約50分かけて通ったが、昨年9月に新たに整備された町営住宅に引っ越し、帰還を果たした。「やっぱり古里はいい。まだまだ町民は少ないけど、少しずつ戻っている。(町外に避難する)友人もたまに泊まりに来て、楽しく飲んでますよ」と笑顔を見せた。
 昼時は約30席のテーブルが満席となる。遠慮してか、役場の職員はあまり来ない。ほとんどが復興作業員や視察員、町民だ。「ごちそうさま」の声に、浅見さんは「いつもありがとうございます」と元気な声で返した。
 浪江焼麺太国のキャッチフレーズは「君も一味だ!」。まだまだ“調理段階”の浪江に味付けする仲間を募っている。
(由本裕貴)
10店舗が並ぶ仮設商業共同店舗施設まち・なみ・まるしぇ=浪江町役場前で
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