「豊橋かき塾」スタート

2018/04/29 00:00(公開)
摘蕾(てきらい)実習をする受講者ら=豊橋市石巻地区で
 後継者の育成を目指し、JA豊橋は28日、「豊橋かき塾」をスタートさせ、豊橋市石巻本町の第六事業所で開講式を開いた。受講者らは早速、講義を受けたあと、柿の畑に出て実習を行った。
 柿生産の新たな担い手の確保や育成を目的に、新規・定年就農者や帰農者に柿栽培、経営の知識、技術習得を支援する。
 今年度は29人が受講。講座は4~12月に5回開かれ、JA豊橋柿部会や県東三河農林水産事務所の職員らが講師を務める。毎回、講座と実習が行われ、余分なつぼみを摘み取る摘蕾(てきらい)から収穫、せん定までを学ぶ。
 開講式で、JA豊橋営農部の繁原好幸部長が年々柿部会のメンバーが減っていることに触れ「この『かき塾』を通じ、皆さんがこの地域の柿栽培に入っていただいて、柿部会を盛り上げていただければ」と期待を示した。
 初回のこの日、受講者は柿の生育やつぼみの着き方などの生理生態や摘蕾の仕方などについて講義を受けた。その後、石巻地区の柿の畑に移動し、つぼみをつけた柿の木を使って摘蕾実習に臨んだ。
 定年退職後、本格的に栽培に取り組もうと受講した森睦士さん(63)は「基礎的なことが分からないので、1年を通じて教えてもらえるのでありがたい。実技的なことを教えてくれて助かる」と話した。
 日本一の次郎柿の産地である豊橋市の北部地区では、柿農家の高齢化や後継者不足で生産規模の縮小が進んでおり、蓄積された技術や生産体制が失われることが懸念されている。
(井嶋義典)
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