豊橋市ドローン飛行隊 地震被害調査の訓練

2018/07/26 00:01(公開)
土砂災害被害調査の訓練を行う隊員ら=多米町の民俗資料収蔵室で
 豊橋市ドローン飛行隊「RED GOBLINS」が25日、南海トラフ地震が発生した場合の迅速な被害状況調査に向け、市役所災害対策本部室を拠点に訓練を実施した。
 隊員らが被害対象別に市内数カ所の上空で、ドローンを使って撮影した映像データをもとに、フライト場所の設定や撮影高度、映像データの集約方法などについて検証する目的。
 訓練は、午前9時に南海トラフ地震が発生したとの想定で行われた。市役所の各部署から隊員16人が集合、資機材を整え三つの班に分かれ、各フライト場所に向かった。1班は牟呂小学校から津波被害の状況を、2班は多米町の民俗資料収蔵室から土砂災害の状況を、3班は中消防署から中心市街地の被害状況をそれぞれ撮影。災害対策本部室への映像伝送は、リアルタイム配信システム「V-CUBE」と、今回、初の試みとなる動画共有サービス「YouTube」、また、SDカードによる搬送の三つの形式が試された。対策本部では、送られてきた映像情報を確認し、災害情報共有システムの地図上にリンクさせる集約作業を行った。各班が戻り、それぞれの状況について検証した。
 フライト場所については、山間部では障害物により電波が届かず目標地点まで飛行できなかったことや連絡を取り合う防災無線が入りにくいこと、中心街では電波干渉で映像に問題が出ることなどが報告された。
 映像収集方法に関しては、リアルタイムで指示が受けられる「V-CUBE」の強みや、「YouTube」では想定より迅速にできること、長時間の映像伝送が可能なこと、SDカード搬送では集約時点での管理が難しいことなどが分かった。
 訓練としては、これまで課題だった情報の集約について「システムに落とすことができ、だいぶ先に進んだ」と評価。対策本部でなくても、システムにつながるところなら情報が見られるようになったことは大きな前進だとしている。
(井嶋義典)
送られた映像をもとに検証する隊員ら=市役所災害対策本部室で
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