設楽で三河田口駅さよならセレモニー

2018/09/02 00:00(公開)
駅跡に土をかぶせる参加者ら=設楽町田口で
 かつて新城市と設楽町を結んでいた田口線(豊橋鉄道田口線)が廃線となってから50年が経(た)った1日、同町田口で「三河田口駅さよならセレモニー」が開かれた。町内外から60人が参加し、駅名板づくりや駅舎跡に土をかけて別れを惜しんだ。
 田口線は新城市長篠の鳳来寺口(現JR飯田線本長篠駅)と同町田口にあった三河田口駅を結んだ延長22・6㌔のローカル線。1932年に全線開通し、68年8月31日の運行で廃止となった。
 セレモニーは町民グループ「田口線50の会」が主催。三河田口駅は町内で計画される設楽ダム建設工事が始まると駅から新城寄りの1㌔ほどが水没することから、半世紀前までに電車が走っていたことを後世に伝えようと企画した。
 午後4時、参加者は駅名板や署名板づくりと、駅舎跡に土をかぶせた。中山豊子さん(75)=田口=は「63(昭和38)年に同駅から夫と電車に乗って長野まで新婚旅行に行ったことが思い出です」と語った。
 また50年前の「さようなら田口線」号の運転まで行った元運転士の黒柳嘉治さん(86)=清崎=は「当時は車が少なく通勤通学は2両編成でも満員だった。今は運転士をしていたのは私1人だけとなり、完全に面影はなくなってしまうのだね」と寂しげに語った。
 この後、近くの第一トンネルでは同会が制作した田口線ムービーの上映、思い出話を披露した。
(安藤聡)
駅名板を仕上げる田口線50の会メンバー=同
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