プロバスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」は7日、豊橋市総合体育館で「千葉ジェッツ」と戦った。佐々木隆成、デイビッド・ヌワバの両選手らが着実に得点を決め、後半の激戦を制した三遠が87対79で勝った。8日も第2戦がある。
前半は三遠ペースで進んだ。この日17得点のヌワバ選手のダンクシュートや16得点のヤンテ・メイテン選手がゴール下で効果的に得点を重ね、67対58で折り返した。
後半は千葉に流れが傾いた。この試合37得点の富樫勇樹選手と金近廉選手の3Pが高確率で決まりはじめると、第3クオーター(Q)の中盤に1点差に詰め寄られた。
苦境で流れを変えたのは佐々木選手だった。ディフェンスからのスティールで自らゴール下へ駆け込んでのレイアップが相手の反則を誘い、フリースローも決めて3点プレーで引き離した。さらにヌワバ、吉井の両選手の連続得点で続き、終盤の激戦を制した。
代表主将だった富樫選手や、NBA帰りの渡辺雄太らスター選手がそろう千葉に対し、三遠も佐々木、吉井、大浦の代表3選手やNBAで活躍したヌワバ選手ら豪華メンバーが一堂に会した初戦は三遠に軍配が挙がった。
富樫選手には7本の3P(62%)を含む37得点を決められるなど、ディフェンス面での課題を残した。大野篤史ヘッドコーチ(HC)は「まずはディフェンスだ。細かいミスが多く、させてはいけない選手にやられてしまった」と語った。スター軍団の千葉に対する気遅れを指摘して「相手の名前を見て、びびり散らかしたプレーだった。マインドセットが必要」と修正点を挙げた。
佐々木選手は「富樫さんに好き放題にやられてしまった」と第2戦へ修正を誓った。日本代表ぞろいの対戦に「今までとは感覚が違う試合。世界で一緒に戦ったメンバーとシーズンで戦えるのは楽しかった」と喜んだ。
三遠のホーム豊橋で千葉との一戦が行われた7日、豊橋市議らが試合会場の視察に訪れた。2年後に始まる国内最高峰リーグ「Bプレミア」へ向け、盛り上がりを見せる会場の熱気や雰囲気に触れた。第2戦の8日も視察に訪れるという。
三遠の新たなホームと予定した豊橋公園の新アリーナ計画を巡り、長坂尚登市長が就任時から計画中止を掲げているのを受け、「豊橋新アリーナを求める会」が市長や賛否両派の市議らに「Bリーグの現場を見てほしい」と観戦や視察を呼び掛けていた。
この日は自民、公明、まちフォーラムのほか新しい豊橋の4会派の市議が訪れた。8日の第2戦までに自民10人、公明4人、まちフォーラム3人のほか、新しい豊橋の1人が視察する見通し。
この日は試合中の観客席やハーフタイムショーなど会場の盛り上がりを視察。リーグ屈指の人気と実力を誇る千葉戦とあって、入場者数は4647人の満席だった。
アリーナ問題では反対派とされる、新しい豊橋の諸井菜々子市議は「新アリーナ計画は賛否両論ある。個人的には何が何でも反対という立場ではなく、賛成する市民の考えなども知りたい」と視察の意図を語った。
会場の雰囲気を見て諸井氏は「市外からの流入でまちを盛り上げることは不可欠だ。毎回この規模で盛り上がれるなら豊橋駅周辺も活気づくに違いない。賛否両方の情報を踏まえて建設的な議論が必要」との認識を示した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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