バスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」のレジェンド、太田敦也選手(41)が今季限りでユニホームを脱いだ。実業団時代から18年間、屋台骨としてチームを支えてきた。2022年の大野篤史ヘッドコーチ(HC)就任後、チームは再び黄金期に突入し、ブースターの声援は年々高まっている。チームやバスケ熱の高まりをどう見ていたのか。今月中旬にインタビューした。
三遠は大野HC新体制になって3年、固いディフェンスと高速バスケを武器に、着実にステップアップした。初年度は地区6位に終わったが、2年目は中地区初制覇、3年目は2連覇、年間王者を決める「チャンピオンシップ(CS)」には4強に入った。
太田選手は成長の要因を「勝ちながらも改善点を洗い出し分析し、遂行し続けられたこと」と話す。昨季はリーグ最速で中地区制覇を決めたが、終盤に4連敗で失速。CS初戦で敗退した。「勝っていても、慣れていないというか、地に足がついていなかった」と振り返った。一方の今季は「安定して勝てていたし、22連勝の時は負ける気がしなかった。優勝マジックがついてから落ちかけたが、もう一回上がってこれた。自分たちの成長かな」と分析した。
だが、チームの躍進とは裏腹に、太田選手は外国籍選手がひしめく「センター」というポジションゆえに苦しいシーズンを送り、最終年はベンチから外れる機会が増えた。「思うようなプレーばかりできたわけではなく、(個人的には)きついシーズンだった」と吐露した。それでも、太田選手がコートに立つと「あつや」と一番の声援が飛び、ゴール下で体を張った献身的なプレーを見せた。
今季の観客動員はホーム豊橋で史上最多の4900人超えを記録。「ブースターの会場での声援は数年前と全然違う。皆が勝ちたいと声を出して、そのおかげで勝った試合も多い。前よりも歩いていると『頑張ってください』と声を掛けてもらえるようになり、地域に根付き始めているんだなと感じる」と笑顔を見せた。来季はチームスタッフ。三遠地域を盛り上げる活動に期待がかかる。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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