この成功を受け、直後の2024年9月30日には、今年11月1日のガマラブフェスに向け、一からメンバーとチームが編成され、衣装制作が始まった。田中杏実さん(26)は引き続きチームリーダーを務めた。
今回、メンバー6人と一緒に、これまでの苦労や学んだことを参考に、4衣装を作り上げた。三河木綿の特徴である美しい縦縞(たてじま)模様「三河縞」に、フェスのテーマに合わせた色を取り入れた。また、ステージで際立つよう模様の大きさを調整するなど、試行錯誤の末、1年かけて完成させた。さらに、フェス直前までサイズ調整や修正にも尽力した。
チームは、三河縞を基調としたトレンチコートをジャケットとワンピースに落とし込んだ衣装をはじめ、クッションでよく使われる「ゴブラン織り」をワンピース、田中さんがすべて絞り染めしたセットアップ、ガーゼやカーテンなどの端材を使ったサステナブルな衣装を考えた。
フェス当日は、市プロデュースのステージのスタイリストとして、出演者のヘアメークなども担当するなど多忙だった。メインのTGCプロデュースのステージが始まると、柏木由紀さん、瀬川陽菜乃さん、那須ほほみさん、植野花道さんがその衣装を身に着け、竹島を背景にした特設ランウエーを歩いた。
出演者をきらきらした目で見つめる若い観客が視界に入った時、「このイベントが『将来、アパレルの仕事に関わりたい』『ステージに立つ人になりたい』など、誰かの未来のきっかけになれたのでは。ここまでやってきて良かった」と強く思った。
フェスを終え「2年間、関わってきたことが、あっという間に終わってしまった。多くの人が来てくれたことで、大きなことに携われたと実感できました」と振り返った。
現在は市内の繊維会社を退社。夢だったアパレルの店として、米国やアジアなどのスタイルを重視した衣装を取り扱う古着屋を名古屋市中区栄に立ち上げた。蒲郡から通いながら、20~30代の利用客に対し、服の魅力を伝えている。
田中さんは「これまで、蒲郡は『繊維のまち』でもインテリア雑貨や寝具のイメージだった。プロジェクトに関わったことで、三河繊維の魅力をアパレルに落とし込むことを学べた。今後は、三河木綿とコラボして蒲郡と関わっていきたい」と話した。
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愛知県蒲郡市生まれ。2020年、地元蒲郡が好きで東愛知新聞社に入社。同年から蒲郡担当、市政や地域行事、文化など全般を取材。ドローンを使って東三河の名所を空撮したルポ「大二朗記者の空からの訪問」を不定期連載。これまで、三河大島や三河国分尼寺跡、日出の石門などを空撮してきた。ドローン技術向上のため、国家資格「一等無人航空機操縦士」を24年に取得。読者の皆さんが楽しんでもらえる記事と記憶に残る写真を掲載できるよう、日々、頑張っていきます。
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