来年元日の「第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)」の予選を兼ねた「第65回中部・第55回北陸実業団対抗駅伝競走大会」は9日、田原市であり、地元のトヨタ自動車が2位で出場権を獲得した。注目を集めたのが、3区の吉居大和選手(23)と4区の湯浅仁選手(24)。中央大学出身の同期で、実業団のAチームでは初のたすきリレーだった。
吉居選手は田原市出身で仙台育英高を経て中央大に進学。2022年の第98回箱根駅伝では、1区で区間新記録の1時間00分44秒をマークした。湯浅選手は宮崎日本大高から同大に進学し、4年時は主将として吉居選手とともにチームを支えた。吉居選手は昨年4月、湯浅選手は同年10月にトヨタ自動車に入社した。
今大会のレース後、吉居選手は湯浅選手との22年の全日本大学駅伝以来のたすきリレーについて「湯浅とたすきをつなげたのはすごくうれしい。彼に少しでも楽をさせてあげたいという気持ちで走った」。湯浅選手も「吉居が3区と発表されたときは素直にうれしかった」と語った。
しかしこの日の走りは満足のいく内容ではなかった。吉居選手は3区6位に終わり、前回大会のリベンジを果たせなかった。中盤で脇腹に痛みが走り「差し込みなのかな。今年は体調も万全で練習も自信を持って積めていたのに」と悔しがった。湯浅選手は4区2位でチーム順位を一つ上げる力走だったが、トヨタ紡織の西澤侑真選手についていけなかった。「後半の粘りがまだまだで対応力にも力の差があると感じた」と反省した。本来後半からの粘り強さが持ち味だが、「初めて前半から速いペースで走り、後半に粘る展開を経験した。失速したが、新しい自分の力を感じられた」と収穫を得た。
互いはどのような存在なのか。吉居選手は湯浅選手を「大学時代から安定して結果を残せることが強み」と語る。続けて「湯浅に負けないように競い合える良い関係を築きたい」とほほ笑んだ。一方の湯浅選手は「この1年、吉居は改めてすごい存在だと感じた。日本トップレベルの選手が近くにいるのは刺激になるし、いつか肩を並べたい存在。本当に感謝したいしリスペクトもある」と話した。
ニューイヤー駅伝の希望区間について吉居選手は「1区の方が走りやすい」と即答。すかさず湯浅選手も「1区かな」と答えると、吉居選手は湯浅選手の尻をポンと叩いて笑顔をみせた。湯浅選手は続けて「2区はちょっとまだかなと」と付け加えた。2年ぶり5回目の日本一に向けて「大学から頑張ってきたチームメートなので、一緒に優勝したい」と湯浅選手が語れば、吉居選手も「何が駄目だったのかコーチと話して準備していきたい。チーム優勝、自分自身も挽回できたら最高の結果」と決意を示した。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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