2~3日にあった「第101回東京箱根間往復大学駅伝競走大会」の激闘から約1週間。東三河ゆかりの選手たちに、次の目標を聞いた。
往路で目立ったのは、1区の吉居駿恭選手(中央大3年)。都内の大手町のスタート直後から集団を抜け出し、自分のペースで走り続けた。「スローになるのは嫌だった。前に出ようという意識はなく、本来のペースに周りがついてこず、ラッキーだった」と淡々と振り返った。兄の大和選手(トヨタ自動車)が持つ区間記録1時間0分40秒には及ばなかったが、歴代4位の1時間1分7秒を記録した。
2区の溜池一太選手(3年)にたすきを渡した直後には両手で小さくガッツポーズ。うっすら涙を浮かべていた。昨年は体調不良者が続出し、総合13位に終わったが、予選会で6位に滑り込んだ。「エース」としてのプレッシャーに打ち勝ち「しっかりと役割を果たせたの良かった」とほっとした表情だった。来年の目標は「優勝」。次期主将にも名が挙がり「チーム全体でタイムを底上げできるように練習したい」と意気込む。
吉居選手と同じ1区を走った浅井皓貴選手(順天堂大4年)は、エース区間の2区を予定していたが、昨年10月に足首を捻挫、12月には体調不良で直前まで本来の練習ができず断念。「出られるかも怪しい状態だった」と明かす。
それでも、高校時代からの「箱根路で活躍したい」思いは捨てられなった。昨年は2区で19位で「このまま終わるのは嫌だった」とトレーニングを続けていた。1週間前の5㌔のロード走で「状態が悪い時よりも強い走りができた」と手応えを感じ、長門俊介監督と相談して1区で走ることに。本番では区間12位だったが「第2集団で今できる力は出し切れた」と話す。春にはトヨタ紡織に入社する予定。中学時代に所属していた「TTランナーズ」の先輩の吉居大和選手や近藤幸太郎選手とは敵同士となるが、「あまり意識していない。けがをしない走りを身につけ、主要大会で活躍できるように頑張ります」と語った。
その浅井選手を「必死に追いかけたので成長できた」と感謝するのは、10区の近田陽路選手(中央学院大3年)。浅井選手とは中学時代にTTランナーズ仲間で、豊川高校では先輩後輩の関係。中高はトップレベルとは言えない成績だった。浅井選手から「大丈夫かな」と普段の生活を心配されることもあったが、大学時代に「人間的にもタイム的にも成長できた」と花開いた。
今季は副主将。「後半にシード争いに加われるように」と監督の期待を背に受け、本番を迎えた。結果は区間11位、チームは14位に終わった。「中途半端な成績でシード権争いができなかった悔しい」と振り返る。
新チームは2月から。関係者によると近田選手が主将になる見込みという。「目標はシード権獲得」とぶれない。個人ではスピードアップに力を入れる。1万㍍の自己新が29分台で「来季は28分で走りたい。来年はどの区間を走るか分からないが、吉居選手のように単独走で集団を引っ張れないと戦えない」と語った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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