豊橋市消防本部が山林事故救助訓練

2018/09/22 00:00(公開)
負傷者の搬送訓練をする隊員ら=豊橋市の石巻山山頂付近で
 秋の行楽シーズンを迎え、登山客の事故に対して速やかな対応ができるよう豊橋市消防本部は21日、山林事故救助訓練を同市石巻町の石巻山山頂付近で行った。
 訓練は、登山中の30代の夫婦が山頂から下山中に階段を踏み外して約7㍍滑落、携帯電話で救助要請があったとの想定で行われた。予定されていた県防災航空隊との連携による傷病者の吊り上げ訓練は、悪天候のためヘリコプターが飛べず、消防40人による地上での救助訓練となった。
 要請を受けた各署の消防職員が次々に中腹にある石巻神社近くの駐車場に集結。小雨の中、無線で連絡を取りながら約1・5㌔先の山頂へ向かった。隊員らは大きな声で呼び掛けながら要救助者を探索し、山頂付近で負傷者2人を発見。救急隊が応急救護を施した後、バスケット担架に乗せ、ロープなどを使いながら滑りやすい急斜面や岩場を乗り越えて救助・搬送訓練を行った。
 同本部によると、市内の過去10年間の山林救助出動件数は27件(うちヘリの活動10件)で、登山ブームも伴い、ここ5年は増加傾向にある。また、救助された人のうち、7割弱が60歳以上だという。
 中消防署の藤井康勝署長補佐は、気軽な気持ちで登山に入る人も増えていると説明。「コースから外れず、危険な場所には近づかないように」と話し、「自分の身は自分で守る」を前提に安全確保するようにと呼び掛けている。
 また、山林火災も懸念されため、喫煙者には携帯用灰皿の使用と火の始末にも注意をと話している。
(井嶋義典)
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