宇宙つかってみりん

2018/11/14 00:00(公開)
#宙三河プロジェクト vol.8
豊増さんに聞く宇宙データ活用術㊦

 -宇宙データの利用方法はどんなものがありますか?
 豊増 地球温暖化の観測や、一番身近なものは天気予報ですね。カーナビやスマートフォンのGPS(全地球測位システム)も、人工衛星からの電波を使っています。

 -宇宙データで花粉や黄砂の飛散状況も分かりますか?
 豊増 観測ができれば可能です。黄砂が出す光とか、特徴を直接撮影できるカメラが人工衛星に搭載されていれば一番ですが、いろいろな光で撮った画像から抽出したりします。直接観測できなくても、花粉を出す木の分布と風向きのデータがあれば予想ができそうですよね。

 -花粉が多く飛んでくる場所が予想できる時代がくるってことですか?
 豊増 頑張ればもうできるかもしれません。花粉の飛び具合についてちゃんとした研究があれば、宇宙からどう見えるかを考えてデータを詳しく見ます。今度の休日はこの辺に行けば花粉から逃れられるかなとか、個人的にも大いに進展を期待したい分野です(笑)。

 -ほかの利用方法は?
 豊増 いっぱいありすぎて困りますね。逆に、どう使えるかわからないけど、とりあえずデータを公開しましょうというのが最近の流れです。例えば、天気のために撮ったデータだけど、そこにはいろいろな情報が映りこんでいるので、気象だけで閉じておかず、公開しておくので使ってみてね、と。
  
 -私でも見られますか?
 豊増 はい。今すぐにでも見れちゃう。自分の見たいところ(北緯東経)とかで検索します。地図で検索できるようにもなっていたりもします。必ずしも自分の欲しいデータがあるとは限りませんが。
                 
 -どこが公開している?
 豊増 それぞれの機関が公開していますが、地表のデータは日本だと産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)ですね。税金を払っているんだから、使わないと。

 -宇宙データの利用は今、すごく研究が進んでいる?
 豊増 はい。昔は一部の人にしか扱えませんでしたが、今はインターネットでだれでもアクセスできるし、パソコンの性能が上がったので誰でも処理できるようになりました。別にプロじゃなくても、小学生でも、ひまな人が一日ずっと見ていてもいい。どうやったら、見えてくるか?を考えるのはパズルみたいなものです。

 -パソコンがあれば誰でも使える。宇宙ってめちゃくちゃ身近ですね。
 豊増 そうですね。データ天文学という分野が実際にあります。違う目的で見ると誰も気づかなかった現象が見えてくることがあります。出がらしのデータでも、見方を変えれば宝の山かも。

 -全然違う思考を持った人が見るとまた別のものに見えるということですか?
 豊増 そういうわけです。興味関心はひとそれぞれ。

 -もしかしたら東三河の小学生が新たな発見をしちゃうかも。
 豊増 はい。宇宙からの宝探し。晩秋の夜は、宇宙データを使って何かを発見しようとするのもいいかもしれませんね。   
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