中地区1位の「三遠ネオフェニックス」は、天皇杯準々決勝(1月8日)で東地区の「群馬クレインサンダーズ」と対戦する。ここまでリーグ屈指の得点力を武器に勝ち上がってきた。悲願の初優勝へ進む。
三遠は2次ラウンド(同21~23日)から登場。「徳島ガンバロウズ」(B3)との初戦は103対59、2戦目の「しながわシティバスケットボールクラブ」(同)に83対66、決勝で佐賀バル―ナーズ(B1)に81対65で勝利。3次ラウンド進出を決めた。
強豪の「サンロッカーズ渋谷」を破った「長崎ヴェルカ」と対戦。第1クオーター(1Q)は、立ち上がりから外国籍選手らのインサイドの攻撃に苦しんだが、残り1分20秒からデイビッド・ヌワバ選手、ヤンテ・メイテン選手らの3連続得点で盛り返し、22対14で終える。第2Qはヌワバ選手のブロックから津屋一球選手が3点シュート(3P)を決め、会場のボルテージが最高潮に。48対31で折り返す。
第3Q、第4Qは吉井裕鷹選手やウィリアムス・ニカ選手らのブロックやパスカットなどで、相手の攻撃をわずか19点に抑えた。メイテン選手は20得点で最多、ヌワバ選手は13得点、佐々木隆成選手は10得点と活躍した。
注目は成長著しい湧川颯斗選手。18日のアルバルク東京戦では、コンディション不良の吉井裕鷹選手に代わって先発出場、12得点8リバウンド、5スティールを記録。強豪相手に72失点に抑え、中地区首位浮上の原動力となった。
湧川選手は「ハードなディフェンスができたことが結果につながった。しっかりついていくこと、ハードワークしてディフェンスする意識を今後も継続していきたい」と語った。
大野篤史HCも「名前負けしてほしくない。失うものがないんだから。自分が持っているものを出し切ろうとしなかったことに僕は気になっていたので、今日の試合は良かったと思います」と評価した。
準々決勝は、攻撃力がリーグトップクラスの三遠と防御力を誇る群馬との「矛盾対決」となる。群馬の戦力を分析する。
今季からカイル・ミリングヘッドコーチ(HC)が就任し、2点シュート中心の「速攻」から、スローペースで粘り強く守って、3Pを中心に効率よく得点を決めるスタイルに変化した。特に、3Pの成功率は33%から35%(リーグ3位)、フィールドゴール成功率は45・8%(同5位)と優秀な成績だ。
また、ディフェンス力もリーグ屈指で、3次ラウンドでは優勝候補の「宇都宮ブレックス」を46点に抑えて勝利した。
要注意は三遠から移籍した細川一輝選手。高確率の3Pとフィジカルを生かしたディフェンスを武器とし、23年のアジア大会代表に選ばれた。今季も3Pは健在で、成功率は40%超えでリーグ6位。さらに、エースの辻直人選手も優秀な3Pシューターでどんな体勢、タイミングでも高確率で決め切ることができる。吉井裕鷹選手、デイビッド・ヌワバ選手らを中心に、スペースを作らせないよう注意したい。
三遠は今季強化しているディフェンスとリバウンドも悪くない。佐々木隆成選手らを中心に素早いパス回しから三遠の速いペースに持ち込みたい。順調にいけばセミファイナルは2月5日。沖縄で昨季準優勝の琉球ゴールデンキングスと対戦する。ファイナルは3月15日に東京で。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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