設楽町田口の氏原良夫さん(99)は、町内の高齢者でつくる「設楽囲碁クラブ」の最年長棋士として、日々研さんに励んでいる。20日には同町の奥三河総合センターで記念大会が開かれ、会員と碁を打った。
1926年同町神田生まれ。地元の学校卒業後、しばらくは警視庁に勤めていた。だが、当時は太平洋戦争真っただ中。空襲と食糧難で生きていくのもやっとの生活を送り、結核に感染して栄養失調になった。そこで療養のため地元に戻ることを選んだ。「配給の米も粗末で食べ物が本当になかった。苦しくて苦しくて」と回想する。
囲碁と出合ったのは、20歳の頃。徐々に病気が回復し、気分転換で散歩に出かけた時のこと。偶然、近所の材木店「小西屋」の主人、原田悟さんに「暇ならちょっと寄ってこいよ」と声を掛けられた。「知り合いではなかったが、きっと落ち込んでいたのを見かねて声をかけてくれたのでは」と感謝する。
原田さんの家で月2~3回、囲碁を習うようになった。初めは右も左も分からなかったが「勝ち筋」を覚えるとはまっていった。その後は、近所の碁打ちを見つけては対戦するように。仕事の合間を縫って、昇段試験にも挑戦し、2002年には会では唯一の七段となった。今も研究を欠かさず行い、年下の棋士でもなかなか勝てない腕前を披露している。設楽囲碁クラブの田辺憲一さん(79)が「闘争心は今も衰えていない。負けず嫌いだね」と驚くほどだ。
さらに元気の源として「今も近くの畑でジャガイモやホウレンソウなどを育てている。体力が衰えないように」と笑った。「相手をしてくれる仲間がいることはありがたい。これからも棋力に磨きをかけていきたい」と語った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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