田原の伊良湖岬中が閉校

2019/03/15 00:00(公開)
閉校記念式典で校歌を歌う生徒ら=伊良湖岬中学校で
閉校記念式典で校歌を歌う生徒ら=伊良湖岬中学校で
 ありがとう、岬中-。田原市立伊良湖岬中学校の閉校記念式典が14日、在校生や卒業生、地域の住民ら約300人が出席して同校で開かれた。映像で歴史を振り返り、生徒たちが演舞や和太鼓を披露。学校への感謝を込め、出席者全員で運動場から風船を飛ばした。同中は4月1日から市立福江中学校に統合され、72年の歴史に幕を閉じる。
 海や山に囲まれ、風光明媚(び)な表浜海岸側に位置する伊良湖岬中は1947(昭和22)年に開校し、6738人の卒業生を送り出した。最盛期の61年には全校生徒が546人だったが、平成に入り200人前後、本年度は101人となった。
 少子化と、東日本大震災の津波被害を受け、小・中学校再編を検討、2016年秋に福江中への統合が決定した。
 式には、卒業したばかりの3年生を含む全生徒が出席。小久保正吾実行委員長が、統合への経過を述べた上で、4月から福江中に通う生徒たちに「今まで使ったものを大切にして思いきり学校生活を楽しんでください」とあいさつ。卒業生の1人として「学校がなくなるのは寂しいことだが、伊良湖岬中学で学んだことは永遠に忘れることはありません」と話した。
 山下政良市長は、地域が関わりながら教育を進める「コミュニティースクール」として新たに位置付けられる福江中学に触れ「地域で育てる気持ちを大切にしてください。市も子どもたちの教育を充実させます」と述べた。
 清田大治校長は、現在の小規模校の特徴を生かした取り組みを紹介し「『皆さんを元気づけることができた』と感想を言う生徒が育ったことが、何よりうれしい。伊良湖岬中学の生徒であったことを自信と誇りに、人を幸せにする笑顔を忘れず頑張ってください」と生徒たちに期待を込めた。
 開校当初の様子や校舎、運動会、部活動などの歴史を映像で振り返り、出席者がじっと見入った。校歌を合唱したほか、生徒数の減少に伴い始めた活動で生まれた演舞、和太鼓演奏を生徒たちが力いっぱい見せた。
 最後、生徒たちには内緒で企画した風船飛ばしが行われ、出席者全員で校舎と青空の見える運動場で放した。
 1年生の女子生徒たちは「風船はきれいで、思い出になりました。寂しいけれど、新しい友だちが楽しみ」と話していた。
 統合先の福江中学は4月以降、渥美半島の先端部にあたる5つの小学校区から生徒が通う。伊良湖岬中学の跡地は、伊良湖岬小学校が2年後に移転する。
(中村晋也)
演舞を力いっぱい披露する生徒たち=同
演舞を力いっぱい披露する生徒たち=同
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