豊橋の小学校 運動部活動廃止へ

2019/07/10 00:00(公開)
 豊橋市は9日、市内52小学校の運動部活動を廃止すると発表した。新学習指導要領の完全実施と、同市で「新たな3学期制」が始まる来年度から水泳を皮切りに行い、2021(令和3)年度からは陸上などすべての運動部活動をなくす。音楽関係などの文化部については現在、検討を進めている。東三河では、蒲郡市も小学校部活動の廃止を打ち出している。
 豊橋市は、学力テストの結果が振るわないなど児童の学習面や、過労死ラインにあたる月80時間以上の残業をしている現状がある教職員の働き方改革から、小学校部活動の廃止を検討している。
 市教育委員会は「英語、道徳が教科に入り、小学生の授業が増える。先生は教材の研修や準備の時間が増加。働き方改革に取り組む中、時間を見い出すには、法的拘束力のない部活動に手を入れざるを得ない」と説明する。
 市教委によると、現在、52小学校のすべてが運動部を設ける。学校によって種目は異なるが、5・6年生を中心に入部し、6~12月にかけた授業後に最大で約60日活動する。小学生の65%が運動部に入っているという。
 最初に廃止する水泳は夏場だけの上、プールの使用が猛暑などの天候にも左右されやすく、安全面を考慮し、今年度末までと決定。陸上や、バスケットボール、サッカーなどの球技、駅伝は、入部している5年生にも配慮し、20年度いっぱいとした。
 保護者には10日、文書を配布して知らせる。
 廃止後の授業後に関しては、学習や運動などで定着度の低い児童のための補充の時間、悩みを持つ児童たちの教育相談の充実に充てる。また、校庭などを地域の活動に開放し、体づくりをする機会を確保したり、地域で子どもを育て、見守る仕組みづくりを進めたりする。
 文化部については検討中で、今後、中学生の部活動も考えていくという。
 佐原光一市長は「部活動の在り方を考える時期にきた。先生と子どもが向き合う時間をしっかり持つことを期待する。学力向上、働き方改革だけでなく、スポーツの技量を伸ばしたい子をサポートする仕組みも必要。併せて考えたい」と話している。
 一方、蒲郡市は2022年度までに、小学校部活動の廃止を示している。
(中村晋也)
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