再審棄却から1年で田邉さん守る会宣伝行動

2020/01/27 00:00(公開)
田邉氏の再審開始を求めて宣伝行動をした支援者ら=豊橋駅前で
田邉氏の再審開始を求めて宣伝行動をした支援者ら=豊橋駅前で
 2002(平成14)年の豊川幼児殺害事件で、服役中の田邉雅樹受刑者(52)の再審請求棄却からちょうど1年となった25日に、田邉氏を支援する「えん罪豊川幼児殺人事件田邉さんを守る会」(福住幹生会長)や国民救援会豊川支部、同東三河支部が豊橋駅周辺で大規模な宣伝行動を行った。

 節目の宣伝行動には40人が参加し、駅東口のペデストリアンデッキ、新幹線口側玄関、新豊橋駅前の3カ所で実施。通行人に事件概要などを記したチラシ1000枚を配り、田邉氏の再審開始を訴える署名協力は133人から得た。
 名古屋高裁による昨年の棄却決定では、弁護団が提出した田邉氏を無実とする30以上の証拠資料への明確な回答はなく、弁護団は異議申し立てを行い高裁刑事第2部に2次再審請求。同年12月に就任した同部の鹿野伸二裁判長が、「名張毒ぶどう酒事件」でそれまで一度も応じなかった弁護団、検察との三者協議に応じるなどしており、豊川事件でも進展が期待されることからこの日の宣伝行動に至った。
 通行人には署名だけでなく、カンパを申し出たり支援団体への入会を希望する人もおり、守る会の事務局長で国民救援会豊川支部の渡辺達郎支部長は「これまでにない反応で、事件のことがだいぶ知れ渡ってきていると感じる。今後も毎月の宣伝行動を続けていきたい」と話した。
 市内のゲームセンター駐車場で幼児が連れ去られ、三河湾で遺体で見つかった事件では目撃証言や物的証拠がなく、裁判では田邉氏の捜査段階の自白の信用性が争点となった。大分刑務所に服役中の田邉氏は2022(令和4)年8月18日に刑期満了を迎える。
(由本裕貴)
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