豊川市在住の古屋久実子さんは、2人の我が子と死別した。この経験をもとに「大切な人を亡くした人の心のケア」と「子どもたちの自死をなくす活動」を本格化させ、将来はNPO法人の設立を目指している。活動の第一歩となる講演会がこのほど、豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で開かれた。
講演では自身の人生の歩みを静かに語った。約30年前、離婚してすぐに2歳だった娘を交通事故で失った。「自分に何が起きているのかを受け入れることもできず、パニックと深い悲しみの中に突き落とされた」と振り返った。その後、残された息子と2人で懸命に生活する中で現在の夫と出会い、再婚した。
幸せを感じたのもつかの間、再び大きな試練が襲う。その後、成長した息子もまた、突然この世を去ってしまった。「一度ならず二度までも最愛の子どもに先立たれるという、本当の喪失感と絶望感。なぜ私にこんなことが起きるのかと自問自答を繰り返す日々が続いた」と述べ、「私自身も何度も死を考えるほどに追い詰められた。しかし、その深い闇の果てに2人の子どもたちは、私に生きる意味、命の大切さ、そして愛を与えてくれたと気付き、生命の意味を探し求める歩みを始めた」と語った。
今後の活動として二つの柱を掲げる。一つは、自死や事故などで亡くした「理由を問わない」遺族の心の居場所づくり。周囲に打ち明けづらく、自分を責めて孤立しがちな遺族が、悲しみを抱えたままありのままでいられる安心安全な場所を目指す。もう一つは、最愛の息子を亡くした母として、これ以上同じ悲劇を繰り返さないための「子どもたちの自死をなくす活動」だ。
古屋さんは「大切な人を亡くしたことは忘れられない。でもその悲しみを癒やすことはできる。この痛みを、悲しみをともに共感し、癒やすことで、前を向いて生きていける場所をこれから作っていきたい」と決意を語った。
この日の講演会では、語りだけでなく、ピアノの演奏や歌、そして参加者の心を解きほぐす「誘導瞑想(めいそう)」の時間も設けられた。会場は美しい音色と優しい言葉に包まれ、参加者たちは自らの心と静かに向き合うひとときを過ごした。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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